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浮華虚飾
ふかきょしょく
作家
作品

上田敏

【『新訳源氏物語』初版の序】

 源氏物語の文章は、当時の宮廷語、殊に貴婦人語にすこぶる近いものだろう。故事こじ出典その他修辞上の装飾には随分、仏書漢籍の影響も見えるが、文脈に至っては、純然たる日本の女言葉である。たとえば冒頭の「いづれの御時おほんときにか、女御にようご更衣かういあまたさぶらひ給ひけるなかに」云々の語法は、今もなお上品な物言ものいいの婦人に用いられている。雨夜あまよ品定しなさだめに現われた女らしい論理が、いかにもそれに相応した言葉で、畦織うねおりのように示された所を見れば、これは殆ど言文一致の文章かと察しられる。源氏物語の文体は決して浮華虚飾のものでない。軽率に一見すると、修飾の多過ぎる文章かと誤解するが、それは当時の制度習慣、また宮廷生活の要求する言葉 づかいのあることを斟酌しんしゃくしないからである。官位に付随する尊敬、煩瑣はんさなる階級の差等さとう、「おん」とか、「せさせ給ふ」とかいう尊称語を除いてみれば、後世の型にとらわれた文章よりも、この方が、よほど、今日の口語こうごに近い語脈を伝えていて、抑揚頓挫とんざなどという規則には拘泥こうでいしない、自然のままの面白味が多いようだ。

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Last updated : 2022/11/23