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異国情緒
いこくじょうしょ
いこくじょうちょ
外国らしい風物が作り出す雰囲気や気分。
[昭和前期まで「異国情調」が、昭和後期からは「異国情緒」が一般に使われだした。(「大辞泉」:小学館)]
作家
作品

岸田國士

【わが演劇文化の水準】

 現代の演劇を、現代の劇場に求められないとすれば、知識階級の大部分は、演劇を見限るより外はない。僅かに西洋トオキイによつて、「演劇的満足」を得てゐるやうに思はれる。映画は演劇ではないといふものがあるかもしれぬが、現在の西洋トオキイの魅力は、舞台俳優の演技力が少くとも五割乃至八割の地位を占めてゐると私は断言するものである。その証拠に、西洋に於いても、一時映画に圧倒された演劇が、最近再び、トオキイの出現につれて、一般の人気を取戻しつつあると伝べられてゐる。即ち、トオキイに出演する俳優の演技を、実際の舞台で見ようとする慾望が湧いて来たからである。
 日本の映画ファンも、外国映画の異国情緒は別として、真に俳優の演技に心を惹かれるやうになれば、必ず舞台への関心を呼び覚まされ、その時はじめて、「新劇」はなにをしてゐるのかといふ疑問を起すであらう。

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長谷川時雨

【勝川花菊の一生】

 私の家の外面的新時代風習はすぐ幕になってしまって、前よりも一層反動化したが、世間では清楽しんがくの流行はたいした勢いだった、月明に月琴を鳴らして通る――後にはホウカイ屋というのも出来たが――真面目で、伊太利イタリーの月に流すヴィオリンか、あるいは当時ハイカラな夫人がマンドリンを抱えているような、異国情緒を味わおうとしたのだった。

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正岡容

【寄席風流】

 木村荘八先生は自ら三絃を取上げられ※(歌記号、1-3-28)雨の夜ににつぽんちかくと……」云ふ異国情緒の大津絵を謳はれるが、私も好んで酒間、いろ/\の大津絵を謳ふことが寡くない、あの節調の中には江戸世紀末の悲哀が、深く美しく滲みだしてはゐるからである。

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宮本百合子

【この三つのことば ――わたしたちは・平和を・欲している――】

 ニューヨークといえば、われわれのクラブの委員長であった松岡洋子さんはこのごろ水飢饉のニューヨークでどんな毎日を送っているだろう。昼夜白熱して夜空にまで広告のテレヴィジョンを映している不眠の都市。ウォール街を中心に渦巻く宣伝の都市ニューヨークの旅で迎える三月八日平和のための国際婦人デーは労働組合からの婦人代表もふくむこれら十名の日本婦人たちに何を考えさせるだろうか。
 A・Pのカメラが渡米婦人団の写真の中心に赤松常子さんの日本服姿をとらえたところをみると、赤松さんの渡米効果は、この面で成功といえるのだろう。湯川夫人の日本振袖の姿も、ノーベル賞授賞の式場に異国情緒を添えた。

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三浦環

【吉本明光編 お蝶夫人】

「お蝶夫人」の作曲者プッチーニにお目にかかった話のついでですから「お蝶夫人」の台本は誰が作ったか、その筋書はどんな物語りかをお話しましょう。
 明治十何年、いわゆる鹿鳴館時代に、若き日のフランス文豪ピエール・ロティが海軍士官として軍艦で日本を訪れ、長崎滞在中の思い出を書いたのが有名な「お菊さん」で、異国情緒に富んでいるというので非常な評判をとったので、フランスの作曲家アンドレ・メサージェがこれによって歌劇「 お菊夫人マダム・クリサンテーム」を作曲し、一八九四年(明治二十七年)一月二十六日パリのオペラ・コミック座で初演して好評を博しました。

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国枝史郎

【沙漠の古都】

 ラシイヌは一瞬間心の中で記憶の糸を手繰たぐったけれど思い出すことが出来なかった。
 その間も楽堂の舞台では、まずい音楽が続けられていた。そして聴衆ききては根気よく静かに耳を傾けている。
 しめやかな、静かな、いと平和な、異国情緒の光景である。
 ラシイヌは尚も眼をそばだて、面紗の女とダンチョンの様子を代わる代わるに眺めやった。そして怪しい素振りでもあったら、追っ駈けて行こうと用意した。

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Last updated : 2022/11/23