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因循姑息
いんじゅんこそく
作家
作品

島崎藤村

【夜明け前 第二部上】

この布告が東山道総督執事の名で発表せらるると同時に、それを読んだ藩士らは皆、到底現状の維持せられるべくもないことを知った。さすがに、ありし日の武家時代を忘れかねるものは多い。あるいは因循姑息いんじゅんこそくのそしりをまぬかれないまでも、君侯のために一時の安さをぬすもうとはかるものがあり、あるいは両端をいだこうとするものがある。勤王か、佐幕か――今や東山道方面の諸藩は進んでその態度を明らかにすべき時に迫られて来ていた。

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福沢諭吉

【徳育如何】

当時、君はその忠告を甘受したるか。我々ひそかに案ずるに、君は決してかかる忠告を聴く者に非ず。その忠告者をば内心に軽侮し、因循姑息いんじゅんこそく頑物がんぶつなりとてただ冷笑したるのみのことならん。

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菊池寛

【仇討禁止令】

 小泉主膳は、長州の高杉晋作が金刀比羅宮ことひらぐうの近くにある榎井村の日柳燕石くさなぎえんせきの家に滞在していたとき、二、三度面会して以来、勤王の志を懐き、ひそかに同志を糾合していた。しかし元来が親藩であったし、因循姑息いんじゅんこそくの藩士が多かったから、尊王撰夷などに、耳もかそうとはしないので、同志を募って、京洛に出でて、華々しい運動を起すというようなことはできなかった。

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三田村鳶魚

【話に聞いた近藤勇】

当時尊王攘夷論、これは幕臣のうちにも、諸大名の手を借りずに幕府自身攘夷を決行すれば、それでよろしいのである。そうすれば何も諸大名から騒がれるようなことはない。幕府の当局があまり因循姑息だから攘夷が出来ないのだ、と考えているものもありました。

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長谷川時雨

【旧聞日本橋  10 勝川花菊の一生】

わが日本橋区の問屋町は、旧慣墨守きゅうかんぼくしゅ因循姑息いんじゅんこそくの土地だけに二、三年後にジワジワと水の浸みるようにはいって来た。

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小林一三

【アーニイ・パイルの前に立ちて】

彼等にはPCLの旗印を立てて、松竹に肉迫した往年の勇気はない。守勢に立つ怯弱な方針に終始して、因循姑息でその日暮しの間に新進の敵手が現われて、かならず彼等を圧迫するに至るであろう。彼等には創造の智慧がない。

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小栗虫太郎

【人外魔境  有尾人ホモ・コウダッス

「じゃ君らは、あの大陥没地クレーターへ身を投げるつもりか……」
「そうだ、初志を貫く。だいたいこれが、僕の因循姑息いんじゅんこそくからはじまったことだから、むろん、じぶんがいた種はじぶんでるつもりだよ。マヌエラも、僕と一緒によろこんで死んでくれる。ただ、君だけは友情としても、どうにも僕らの巻添えにはしたくないんだ」

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富ノ沢麟太郎

【あめんちあ】

……そののち、おれは疑うことを覚えた。憎むことを覚えた。おれは因循姑息に犯された。この虫こそおれの寄生虫であった。そしておれを引込思案の壺の中へ封じこめてしまった。

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中里介山

【大菩薩峠 椰子林の巻】

それはさて置きゾロゾロいなさる
閣老参政その他の役人
分別ついたか
因循姑息いんじゅんこそくも時によります
歌舞伎芝居の上使の壱岐さん
田舎(いなか)ざむらい、役には立たねえ
ちんぷんかんぷん、おへそで茶が沸く

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23