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無病息災
むびょうそくさい
作家
作品

芥川龍之介

【湖南の扇】

「何だ、それは?」
「これか? これは唯のビスケットだがね。………そら、さっきこう六一と云う土匪どひの頭目の話をしたろう? あの黄の首の血をしみこませてあるんだ。これこそ日本じゃ見ることは出来ない。」
「そんなものを又何にするんだ?」
「何にするもんか? 食うだけだよ。この辺じゃ未だにこれを食えば、無病息災になると思っているんだ。」
 譚は晴れ晴れと微笑したまま、丁度この時テエブルを離れた二三人の芸者に挨拶あいさつした。が、含芳の立ちかかるのを見ると、ほとんあわれみを乞うように何か笑ったりしゃべったりした。

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石川啄木

斎藤三郎編

【散文詩】

とある山の上の森に、軒の傾いた一軒家があつて、六十を越した老爺と五歳になるお雪とが、唯二人住んでゐた。
 お雪は五年前の初雪の朝に生れた、山桃の花の樣に可愛い兒であつた。老爺は六尺に近い大男で、此年齡としになつても腰も屈らず、無病息災頭顱あたまが美事に禿げてゐて、赤銅色の顏に、左の眼がつぶれてゐた。

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徳冨蘆花

【小説 不如帰】

武男が母は、名をおけいと言いて今年五十三、時々リュウマチスの起これど、そのほかは無病息災麹町上こうじまちかみ番町ばんちょうやしきより亡夫の眠る品川しながわ東海寺とうかいじまで徒歩かちの往来容易なりという。

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幸田露伴

【努力論】

病が吾人を啓發することは決して少くない。是の如く觀ずれば自ら招かざるの病に苦むものも必ずしも不幸のみとは云へぬ。併しこれは道理は然樣さうで有るにしても、病者に對しては言ふに忍びざることである。たとひ世の文明が呼吸器病者神經系病者に負ふところは、甚だ少からざるにせよ、願はくは一切の人が無病息災長壽幸福ならんことを祈らねばならぬ。

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寺田寅彦

【障子の落書】

無病息災を売物のようにしていた妹婿の吉田が思いがけない重患に罹って病院にはいる。妹はかよわい身一つで病人の看護もせねばならず世話のやける姪をかかえて家内の用もせねばならず、見兼ねるような窮境を郷里に報じてやっても近親の者等は案外冷淡で、手紙ではいろいろ ていの好い事を云って来ても誰一人上京して世話をするものはない。

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坂口安吾

【明治開化 安吾捕物 その十五 赤罠】

幸いに玉之助、信作という二人の孫は母の健康をうけついで無病息災に育つから、喜兵衛も非常に安堵していた。と、去年の秋の季節に、大事な二人の孫がまちがえて毒茸を食し、一夜にそろって死んでしまった。

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国枝史郎

【鵞湖仙人】

さて、あいつが九六の間取りで庭に明水の井戸がある。薬を製する霊水でもあろう。六四の間取りがあそこにある。……公事訴訟の憂いが無い。……戌亥に二棟の土蔵がある。……即ち万代不易の相だ。……戌にもう一つの井戸がある。……一家無病息災と来たな。……グルリと土塀で囲まれている。…… うまやが二棟立っている。……母屋の庭は薬草園だ。

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林不忘

【釘抜藤吉捕物覚書 宇治の茶箱】

「その顔に死相でも出ていたと言うんだろう。」
「ところが。」と彦兵衛も負けていなかった。
「死相どころか、無病息災むびょうそくさい長寿円満ちょうじゅえんまん――。」
「そこで。」
 と藤吉は彦兵衛のこの経文みたいな証言を無視して、こまかに肩を震わせている仙太郎へ向き直った。

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Last updated : 2022/11/23