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無学文盲
むがくもんもう
作家
作品

正岡子規

【墨汁一滴】

なぜといふに亀の背に歌かくといふ事既に不思議にして本気の沙汰さたと思はれぬに、しかもその歌の書き主が乳母である事いよいよ不思議なり。普通には無学文盲にていろはすら知らぬが多き乳母(の中にて特に歌よみの乳母)を持ち出したるは何故ぞ。はたその乳母が既に死んで居るに至つては不思議といふも愚なる次第なり。

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福沢諭吉

【学問のすすめ】

 譬えば父母の指図を聴かざる道楽息子へみだりに銭を与えて、その遊冶放蕩を逞しゅうせしむるは、保護の世話は行き届きて指図の世話は行なわれざるものなり。子供は謹慎勉強して父母の命に従うといえども、この子供に衣食をも十分に給せずして無学文盲の苦界に おとしいらしむるは、指図の世話のみをなして保護の世話を怠るものなり。甲は不孝にして乙は不慈なり。ともにこれを人間の悪事と言うべし。

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織田作之助

【可能性の文学】

 坂田三吉が死んだ。今年の七月、享年七十七歳であった。大阪には異色ある人物は多いが、もはや坂田三吉のような風変りな人物は出ないであろう。奇行、珍癖の横紙破りが多い将棋しょうぎ界でも、坂田は最後の人ではあるまいか。
 坂田は無学文盲、棋譜も読めず、封じ手の字も書けず、師匠もなく、我流の一流をあみ出して、型に捉えられぬ関西将棋の中でも最も型破りの「坂田将棋」は天衣無縫の棋風として一世を 風靡ふうびし、一時は大阪名人と自称したが、晩年は不遇であった。いや、無学文盲で将棋のほかには何にも判らず、世間づきあいも出来ず、他人の仲介がなくてはひとに会えず、住所を秘し、玄関の戸はあけたことがなく、孤独な将棋馬鹿であった坂田の一生には、随分横紙破りの茶目気もあったし、世間の人気もあったが、やはり悲劇の かげがつきまとっていたのではなかろうか。
 坂田の名文句として伝わる言葉に「銀が泣いている」というのがある。悪手として妙な所へ打たれた銀という駒銀が、進むに進めず、引くに引かれず、ああ悪い所へ打たれたと泣いている。銀が坂田の心になって泣いている。阿呆な手をさしたという心になって泣いている――というのである。将棋盤を人生と考え、将棋の駒を心にして来た坂田らしい言葉であり、無学文盲の坂田が吐いた名文句として、後世に残るものである。

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太宰治

【女の決闘】

 一回十五枚ずつで、六回だけ、私がやってみることにします。こんなのは、どうだろうかと思っている。たとえば、ここに、鴎外おうがいの全集があります。勿論もちろん、よそから借りて来たものである。私には、蔵書なんて、ありやしない。私は、世の学問というものを軽蔑して居ります。たいてい、たかが知れている。ことに可笑おかしいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、いつ鴎外から 弟子でしのゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして居ります。」と殊勝しゅしょうらしく、眼を伏せて、おそろしく自己を高尚によそおい切ったと信じ込んで、澄ましている風景のなかなかに多く見受けられることである。

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宮本百合子

【今にわれらも】

 ソヴェト同盟の農民が、昔帝政時代にどんな目に搾られて暮していたかと云うことは、世界でロシアほど無学文盲の率が高かったところがないという一例ではっきり分る。帝政時代ロシアの農民の子は大学に入れなかった。法律が禁じていた。服装でも、言葉つきでも、住居でも、まるで違っていて、ロシアのブルジョア地主は自分たちが搾っている農民を軽蔑して「野蛮な熊」と呼んでいた。

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林芙美子

【新版 放浪記】

 スチルネルの自我経。ヴォルテエルの哲学。ラブレエの恋文。みんな人生への断り状だ。生きていることが恥かしいのだ。労働は神聖なり、誰かがおだてて貧乏人にこんな美名をなすりつける。鼻もちもならぬほど、貧民を軽蔑けいべつし、無学文盲をあなどりたい ために、いろんな規則ががんじがらめに製造される。貧民は生れながらの私生児のようなものに落ちこんで行く。

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Last updated : 2022/11/23