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無位無官
むいむかん
作家
作品

正岡子規

【従軍紀事】

「あんな者と言つてもいづれ軍隊に属して居る者でしかも我々に向つて命令を伝へるとか何とか直に接する上はそれ相応の礼式を守つてもらはねばならぬと思ふ、しかしあなたの方でさういふ御考へなら致し方ない、それからまた不公平といつたのは外でないが船中の時なんぞのやうに神官僧侶を上等室に入れて我々新聞記者を下等室にいれるといふが如き不公平の取扱はどういふものでしやう、神官僧侶も新聞記者も同じく従軍者であつてその間に等差はない訳と思ふのですが」「ナニ神官僧侶は奏任官見たやうなものだ」「これはしからん神官僧侶がなぜ奏任官です」「なぜツてあの人らは教正とか何とか言つて先づ奏任官のやうなものだ君らは無位無官ぢやないか無位無官の者なら一兵卒同様に取扱はれても仕方がない」今までわれはなるべく情を押えて極めて温順に談話を試みたり。しかれども無位無官一兵卒等の語を聞きてはこらえかねたる怒気むらむらと心頭に上りぬ。口言はんと欲して言ふ所を知らずただ「一兵卒………一兵卒………一兵卒同様ですか」とばかり言へり「さうサ一兵卒同様サここに至りて最早談話を続ぐの余地なし。蹶然けつぜんたもとを振つてわれは室内に帰りぬ。

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芥川龍之介

【邪宗門】

 その代りまた、詩歌管絃の道に長じてさえ居りますれば、無位無官の侍でも、身に余るような 御褒美ごほうびを受けた事がございます。たとえば、ある秋の夜に、月の光が格子にさして、機織はたおりの声が致して居りました時、ふと人を御召しになると、新参の侍が参りましたが、どう思召したのか、急にその侍に御向いなすって、

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服部之総

【志士と経済】

 本来、志士なるものが大量的に登場するのは、安政以来のことで、万延・文久のほうはいたる行動期となって、真木和泉まきいずみ『義挙三策』に見るように、みずから「義徒」と呼んだ。もとよりさまざまな出身で、一概にいえぬが、大量的支配的な現象として、無位無官草莽そうもう」志士の地盤には、全国諸地方の新興産業商業の勢力が、脈々として息づいている。

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幸田露伴

【平将門】

 将門が検非違使けびゐしすけたらんことを求めたといふことも、神皇正統記の記事からで、それは当時の武人としては有りさうな望である。然し検非違使でゞもあれば兎に角、検非違使の別当は参議以上であるから、無位無官の者が突然にそれを望むべくは無い。して見れば検非違使の佐か じようかを望んだとして解すべきである。

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清水紫琴

【移民学園】

ましてこの乃公は、不肖ながらも、富貴利達を、目的とする、鄙劣漢ひれつかんではないつもり。良し経綸を施す上から、一時止むなく、入閣はしたところで。それは世俗のいはゆる出世で、乃公が出世といふものか。無位無官でも春衛は、春衛。生涯を平民主義に献身せる、一書生としての、栄誉は更に大なる日に、そなたと結婚したならば、よし大臣が総理でも、そなたと乃公の関係に、何の変はりを見る事ぞ。

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長谷川時雨

【明治美人伝】

桃吉が資産家になり、権力がくわわってゆくと共に、今は爵位を子息にゆずって、無位無官の身となった具張氏は 居愁いづらい身となってしまった。やがて二人の間に破滅の末の日が来て、具張氏は寂しい姿で、桜子夫人のもとにと帰っていった。

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中里介山

【大菩薩峠 年魚市の巻】

 それを、繰返すまでもなく、無位無官の一平民、しかもその無位無官のうちでも、最も安直な十八文を標榜して恥じないわが道庵先生が、どうして 斯様かような特典を蒙ったかということは、わからない。まして、お客分として、この名古屋の城下へ来た道庵先生ではなく、注意人物の嫌疑者として、地下の獄に投ぜらるべく拘引されて来たはずの先生が、一躍して、天守の上へ舞い上って来ているということは、返す返すも、あざやかな脱線ぶりで、それを見る者、唖然あぜんとして口のふさがらないのは無理もありません。

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田中貢太郎

【断橋奇聞】

「お前のような者は、だめだ」
 秀英は車の上から手を出して世高に取りついて泣いた。世高も決して離れまいとした。
「俺の家は、代々無位無官の者を婿にしたためしがない、女がほしいなら、読書して、高科にのぼるがいい」
 劉万戸はこう言って世高を恥かしめてから車を出した。世高はそこに立って男泣きに泣いていたが、そのまま女と別れることができないので、その車の往った路と思われる路を通って、京師へのぼって往った。

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国枝史郎

【十二神貝十郎手柄話】

老中、若年寄、大目附、内閣は組織されていても、田沼一人に掣肘せいちゅうされて、政治の実は行われていない。……こういう時世には私のような男が、一人ぐらい出る必要がある。お父上が老練と家柄と、穏健と徳望とを基にして、老中筆頭という高官にあって、田沼の横暴を抑えたのを、私は年若と無位無官と、過激と権謀術数と、ある意味における暴力とを基とし、表面には立たず裏面にいて田沼の横暴を 膺懲ようちょうするのだ。

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Last updated : 2022/11/23