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無為無能
むいむのう
作家
作品

芥川龍之介

【二つの手紙】

 私は今日こんにち限り、当区に居住する事をめるつもりでございます。無為無能なる閣下の警察の もとに、この上どうして安んじている事が出来ましょう。
 閣下、私は一昨日、学校も辞職しました。今後の私は、全力を挙げて、超自然的現象の研究に従事するつもりでございます。閣下は恐らく、一般世人と同様、私のこの計画を冷笑なさる事でしょう。しかし一警察署長の身を以て、超自然的なる一切を否定するのは、恥ずべき事ではございますまいか。

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直木三十五

【三人の相馬大作】

「平山行蔵を始めとして、あの門下一党は、世の中を、罵倒して、上役人の無為無能、下人民の奢侈、怠惰を口汚く申しておるが、江戸っ子はおもしろいものだ、そんなことは、蛙の面に水、大作を、役者に見立ててこの狂言大当りなどと、二枚画を出して、叱られた双紙屋さえあると申すのう」

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岸田國士

【なんとかせねばならぬ】

 こんなところで本誌の提灯持をしてもなんにもなるまいと思うから、それはやめるが、少くとも、現在の日本に於て、「本当の芝居」を求め、自らその道にはいろうとするものは、その精神に於て、今日までの「新劇」と絶縁せねばならぬ。
 それは、今日までの「新劇」が全く無為無能であったというのではないが、既に為すべきことをしつくして、生くべからざる時に生きる存在となっているからである。

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永井荷風

【日和下駄 一名 東京散策記】

 仏蘭西フランスの小説を読むと零落おちぶれた貴族のいえに生れたものが、僅少わずかの遺産に自分の身だけはどうやらこうやら日常の衣食には事欠かぬ代り、浮世のたのしみ余所よそ人交ひとまじわりもできず、一生涯を果敢はかなく淋しく無為無能に送るさまを描いたものが沢山ある。こういう人たちは何か世間に名をなすような専門の研究をして見たいにもそれだけの資力がなし職業を求めて働きたいにも働く口がない。

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鳥谷部春汀

【明治人物月旦(抄)】

氏は熱心なる味方を作る能わず、又忠実なる子分を得る能わず。首領たるの器局は到底氏に於て求むべからず。故に氏に望む所は、思い切って自己の所信を断行し、何人の反対をも畏れずして独り其の為さむとする所を為し、位地を賭して驀進するに在り。然らずして唯だ無為無能の好々先生に終らば、氏の政治的生命は遠からずして絶えん。位地の安全なるを以て自ら甘むぜば、氏の末路は知るべきのみ。

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坂口安吾

【安吾巷談 東京ジャングル探検】

 歴史に徴しても、無能な政府というものは、主として一時しのぎのさもしい量見で失敗しているものだ。
 自分の政敵を倒すために他人の武力をかりて、かえって武力に天下をさらわれてしまう。平安貴族の没落、平家の天下も、源氏の天下も、南朝の悲劇も、無為無能の政府が一時しのぎに人のフンドシを あてにしたせいだ。
 敗戦後のいくつかの政府は、歴史上最も無能な政府の標本に属するものであったが、占領軍の指導で大過なきを得たのであった。

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Last updated : 2022/11/23