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無為徒食
むいとしょく
作家
作品

太宰治

【 I can speak 】

 くるしさは、忍従の夜。あきらめの朝。この世とは、あきらめの努めか。わびしさの堪えか。わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷ろうこうの内に、見つけし、となむ。
 わが歌、声を失い、しばらく東京で無為徒食して、そのうちに、何か、歌でなく、 わば「生活のつぶやき」とでもいったようなものを、ぼそぼそ書きはじめて、自分の文学のすすむべきみちすこしずつ、そのおのれの作品に依って知らされ、ま、こんなところかな? と多少、自信に似たものを得て、まえから腹案していた長い小説に取りかかった。

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織田作之助

【雨】

 しかし豹一はふた月も寝ていなかった。絶えず何かの義務を自分に課していなければ気のすまぬ彼は、無為徒食むいとしょくの臥床生活がたまらなく情けなかった。母親の愛情だけで支えられて生きているのは、何か生の義務にそむくと思うのだった。妓に裏切られた時に完膚かんぷなきまでに傷ついた自尊心の悩みにりたてられていた。

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岸田國士

【中村伸郎 ――文学座のアルバム――】

 近代俳優の特色が、いはゆる限られた役柄をもたぬところにあるとすれば、中村伸郎はまさに、さういふ俳優の一人である。繊細かと思ふと案外図太く、飄々乎としてゐる半面になかなか手堅いところもある。純然たる芸術家の苦悩と、無為徒食の部屋住みの応揚さと、十年勤続のオフイスマンの律義さとを同時に、その風貌のうちにひそませてゐる。

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蘭郁二郎

【腐った蜉蝣】

『しばらくだったなァ、勤めたのかい』
『うん』
 友野は、少しばかり反身そりみになって、胸のバッチを示した。そこには帝国新聞の社章が、霧に濡れて、鈍く、私の無為徒食 むいとしょくあざわらうようにくっついていた。
『君は』
『……病気をしちゃってね、やっと今、海岸を引上げて来たんだ……ふっふっふっ』

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豊島与志雄

【波多野邸】

裏梯子段の上の二室がこの酒場に殖えて、それは特別の小集会などにだけ使われることとなった。そのことが、店主の大田梧郎は固より、私達を、驚かせまた喜ばせた。
 それらのことを、波多野洋介は無関心な調子でやってのけた。時折やって来る井野老人を相手に、碁などうっている彼の様子は、無為徒食の一帰還者にすぎなかった。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23