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無理心中
むりしんじゅう
作家
作品

正岡子規

【煩悶】

ナーニ柳橋にも小紫というおいらんがありますよ。スルト、かかあめ柳橋においらんがありますか、そりゃはじめて聞きました。それでは柳橋の何屋に、などと来るだろう。柳橋の三浦屋サ先日高尾が無理心中をしたその 跡釜あとがまへ今日小紫を抱えたのサもっとも小紫は吉原の大文字に居たのだが昨日自由廃業したと、チャント今朝の『二六』に出て居るじゃないか、とまじめにいうと、アラいやだよ人を馬鹿にしてる、あなたはきっといい処があってそこで……くやしいッていうので枕か何かにくいつくよ、きっと。そうすると物になるね。

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芥川龍之介

【一夕話】

「若槻はまたこうもいうんだ。何でも相手の浪花節語りは、始末に終えない乱暴者だそうです。前に馴染なじみだった鳥屋の女中に、男か何か出来た時には、その女中と立ち廻りの喧嘩をした上、大怪我おおけがをさせたというじゃありませんか? このほかにもまだあの男には、 無理心中むりしんじゅうをしかけた事だの、師匠ししょうの娘と駈落かけおちをした事だの、いろいろ悪いうわさも聞いています。そんな男に引懸ひっかかるというのは一体どういう量見りょうけんなのでしょう。

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菊池寛

【島原心中】

死にそこなった男の方は、別室に移されていて、医者の手当を受けていたのです。僕が臨検した主な目的は、相手の男を尋問して、無理心中ではなかったか、また、たとえ合意の心中であったにしろ、男の方に自殺幇助ほうじょの事実がなかったかを確かめるためだったのです。
 二人が遺書をしたためていることで、無理心中の疑いは少しもありませんでしたが、自殺幇助の疑いは、十分にあるのでした。

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太宰治

【ダス・ゲマイネ】

好きなのだから仕様がないというしわがれたつぶやきが、私の思想の全部であった。二十五歳。私はいま生れた。生きている。生き、切る。私はほんとうだ。好きなのだから仕様がない。しかしながら私は、はじめから歓迎されなかったようである。無理心中という古くさい概念を、そろそろとからだで了解しかけて来た矢先、私は手ひどくはねつけられ、そうしてそれっきりであった。相手はどこかへ消えうせたのである。

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岸田國士

【この握りめし】

また一軒の温泉宿での出来事だが、その宿へ一泊した男女一組の客が、無理心中をした。それだけならまだそううるさいことにもなるまいが、その男の方が、女を絞殺した後で、ちようどそこへ顔を出した主人に飛びかゝり、前歯を二本と片腕を折つてしまつた。驚いて主人が逃げだすのとその男が薬を飲むのといつしよだつた。男は死にきれずに半日悶えつゞけ、医者が来て、やつと命は助かつた。宿の主人は、宿賃と治療費、それに慰藉料まで請求するという。

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小栗虫太郎

【絶景万国博覧会】

その時、釘抜部屋と背中合わせになっている中二階で、その禿は、稽古本を見ていたのだが、どうも小式部さんとしか思われない声で――可遊さん、そんな早く回しちゃ、眼が回ってならないよ。止めて、止めて――と切なそうに頼む声を聴いたと云うのだがねえ。そうすると、当然可遊の方から挑みかけた無理心中と云う事になってしまうけれども、そうなるとまた、今度は身体が すくがるような思いがして来ると云うのは、その矢車の事なのさ。

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永井荷風

【桑中喜語】

女子の悋気りんきはなほゆるすべし。男子が嫉妬しっとこそ哀れにも浅間あさましき限りなれ。そもそも嫉妬は私欲の迷にして羨怨せんえんの心憤怒ふんぬと化して復讐の悪意をかもす。野暮やぼ骨頂こっちょうなり。血気の少年はさて置き分別盛ふんべつざかりの男が刃物三昧はものざんまい 無理心中なぞに至つては思案のほかにして沙汰のかぎりなり。

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中里介山

【大菩薩峠 三輪の神杉の巻】

「エエ、少し都合があって、お前さんと一緒に逃げることはできません」
「ほんとにできない? できない? そんなら」
 ここに至って金蔵は懐中から短刀を一本取り出します。
「お豊さん、では、お前を殺して死ぬよ、無理心中だよ」
 金蔵は悪党に返った。
「金蔵さん、殺して下さい」
 意外にもお豊は驚かなかった。

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佐々木味津三

【右門捕物帖 へび使い小町】

「ちょッ。こっちへお向きなせえよ。あっしだっても、たまにゃがんをつけるときがあるんだから、そんなにつれなくしねえだってもいいじゃござんせんか。だから、こんなにも思うんですがね。いまだにあのとおり行くえのわからねえところを見るてえと、下手人の野郎め、騒ぎの起きたどさくさまぎれにべっぴんをかっさらって、無理心中でもしたんじゃねえかと思うんですがね。でえいち、水へもぐって船底をくりぬいた手口なんぞから察してみるに、どうしたって野郎は 河童かっぱのようなやつにちげえねえんだからね。女をさらって川底へひきずり込んだかもしれませんぜ」

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林不忘

【巷説享保図絵】

「お駒さん! 近寄っちゃいけません。近よらないでください。あたしたちは、ふたりとももっと苦しいんですよ。ですから、二人で相談して、いま、この火事を幸い、いっそ磯五さんを仲に、三人で心中するんですよ。無理心中ですよ。決して磯五さんを離しませんよ。ここで三人で死ぬんですから――」

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Last updated : 2022/11/23