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無手勝流
むてかつりゅう
作家
作品

坂口安吾

【散る日本】

 日本の兵法がどんなにバカげたものかと云へば、甲州流だのくすのき流だの、みんな無手勝流、つまり実力なくして、戦はず勝つ、あるひはゴマカシて勝つ戦法。元々、信玄がどう、楠がどうした、信長がどう、人の手法を学んだところで落第にきまつてゐる、問題は信長の心構へで、実質的に優勢でなければならぬこと、実質の問題で、常に独創的でなければならぬ。日本人は独創的といふ一大事業を忘れて、もつぱら与へられたワクの中で技巧の粋をこらすことに憂身をやつしてゐるから、それを芸だの術だの神業だのと色々秘伝を書き奥儀を説いて、時の流れに取り残されてしまふのである。

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海野十三

【海野十三氏の辯 探偵作家お道樂帳・その五】

 去年あたりから、書道の他流試合を横溝君とやることになり、何度も書を送るのですが、無手勝流といふわけか、一度も横溝君の方から送つて來ないのには困つたものですよ。何れ上京したらトツチメてやりませう。

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牧野信一

【天狗洞食客記】

やがては天狗流の兵術も影を潜めて、あはや没落に瀕した時に偶然にも七世の手で脱殻が拾はれると間もなく、土用干の池の底から古判の壺が続々と掘り出された。彼はそれらの古判をふんだんに振り撒いて田野の人を呼んだ。それまでは文句ばかりに悸されて厭々ながら立ちあがつたまゝの蒟蒻役者であつた模擬武士達は、黄金の光りに活気づいて猛烈な大合戦を演じた。七世はそれらの無手勝流から幾多の極意を発見して自家の流儀に加へることに成功した。

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佐々木味津三

【旗本退屈男 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男】

「小しゃくッ」
 左から一槍が救いに走ってのびたが、また、いけない。寸前かるく体をひねった主水之介の右の小脇に、その穂先までがかいこまれてしまったのです。
「いかが! 敵を即座の楯とする、早乙女主水之介、無手勝流の奥義。お気に召しましたか」
「………」

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戸坂潤

【現代唯物論講話】

 西田哲学的無の論理に於ては、夫が無媒介だと云われた通り、何等の折衷さえも亦あり得ない。二つのものは二つのものとして矛盾しているその儘で、存在していてそれでいいのだ。与えられた現実はその瞬間々々事実そういう状態におかれているから、この現実の矛盾を実地に解決しようとしない人にとっては、こういう無手勝流の論理も論理の名に値いしよう。

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Last updated : 2022/11/23