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晴耕雨読
せいこううどく
作家
作品

太宰治

【佳日】

 私は五反田駅前の公衆電話で、瀬川さんの御都合を伺った。先生は、昨年の春、同じ学部の若い教授と意見の衝突があって、忍ぶべからざる侮辱を受けたとかの理由をもって大学の講壇から去り、いまは牛込うしごめの御自宅で、それこそ晴耕雨読とでもいうべき悠々自適ゆうゆうじてきの生活をなさっているのだ。

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菊池寛

【島原の乱】

 行長の遺臣益田甚兵衛好次よしつぐはそれら隠棲の浪士の一人である。始め肥後宇土郡江辺えべ村に晴耕雨読の生活を送ること三十余年であったが、寛永十四年即ち天草島原の切利支丹一揆の乱が起った年の夏、大矢野島に渡り越野浦に移り住んで居た。

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伊丹万作

【わが妻の記】

 中学時代の同窓にNという頭のいい男がいた。海軍少尉のとき、肺を病つて夭折したが、このNの妹のK子が私の妻となつた。
 妻の父はトルストイにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤め、晩年は晴耕雨読の境涯に入り、漢籍の素養が深かつた。
 私の生れは四国のM市で、妻の生れは同じ市の郊外である。そして彼女の生家のある村は、同時に私の亡き母の実家のある村である。だから、私が始めて私の妻を見たのはずいぶんふるいことで、多分彼女が小学校の五年生くらいのときではなかつたかと思う。

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青柳喜兵衛

【夢の如く出現した彼 夢野久作氏を悼む】

 それから間もなく、ルパシカに長靴、馬上ゆたかにと云うのかどうかしらないが威風堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙な新聞社通いが始った様であった。
 農民時代から文字通り理想的な晴耕雨読か、それとも晴読雨書なのか、姿こそ農民であっても、一たん彼氏の部屋には入れば、萬巻の書に足の踏場もなかったとは次兵衛がよく話していた。あの長篇快作『ドグラ・マグラ』も此の頃から書き始められたのではあるまいか。

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種田山頭火

【行乞記 伊佐行乞】

晴耕雨読、そして不足なく剰余もない生活、さういふ生活を私は欣求する、さういふ生活がほんとうではあるまいか。

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柳田国男

【木綿以前の事】

 職業と修養とは、今日では実は二つのもので、殊に学問などは職業にならぬ方が、進みもすれば世の中の幸福にも貢献する。一方に現在都会に住む若い労働者などは、できることなら職業の余暇に、もっと修養になる学問をしたいと念じていて、しかも疲れ切ってそれが十分にできず、むしろ不自由な田舎に住んでいる青年の、いわゆる晴耕雨読の境涯をうらやんでいる者は多いのである。

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吉川英治

【三国志 赤壁の巻】

「いや」と、孔明は、急にことばをかえて云った。
「今日、いささか所信を述べたのは、先頃からの失礼を詫びる寸志のみです。――朝夕お側にいるわけにはゆきません。自分はやはり分を守って、ここに晴耕雨読せいこううどくしていたい」

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Last updated : 2022/11/23