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千辛万苦
せんしんばんく
作家
作品

島崎藤村

【夜明け前 第一部下】

あの蝿帽子峠の手前に、クラヤミ峠というのがございます。」と儀十郎は言って見せた。「ひどい峠で、三里の間はやみを行くようだと申しますんで、それで俗にクラヤミでございますさ。あの辺は深い雪と聞きますから、浪士も難渋いたしましたろうよ。」
千辛万苦の旅ですね。」
 と勝重も言っていた。

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福沢諭吉

【成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ】

 むかしの学問は学問が目的にして、ただその難きを悦び、千辛万苦すなわち千快万楽にして余念なかりしものなれども、今の学問は目的にあらずして生計を求むるの方便なり。生計に縁なき学問は、封建士族の事なりといわざるをえず。

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福沢諭吉

【瘠我慢の説】

 れば自国の衰頽すいたいに際し、敵に対してもとより勝算しょうさんなき場合にても、千辛万苦せんしんばんく、力のあらん限りをつくし、いよいよ勝敗のきょくに至りて始めて和を講ずるか、もしくは死を決するは立国の公道にして、国民が国に報ずるの義務と称すべきものなり。

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菊池寛

【仇討三態】

 恐ろしい空虚が、彼の心を閉した。すべてが煙のようにむなしいことに思われた。千辛万苦のうちに過した十六年の旅が、ばかばかしかった。敵に対する憎悪も、武士の意地も、亡父への孝節も、すべてが白々しい夢のように消えてしまった。

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泉鏡花

【星女郎】

 その頃は、もう生れかわったようになって、何某なにがしの令夫人だった貴婦人は、我が身もおんなじに、かなしいたんで、何はいても、その悪い癖をめ直そうと、千辛万苦せんしんばんくしたけれども、お綾は、あやしい情を制し得ない。

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林不忘

【安重根 ――十四の場面――】

敵の汝に逢わんとて
水陸幾万里
千辛万苦を尽しつつ
輪船火車を乗り代えて
露清両地を過ぐるとき
行装のたびごとに
天道様に祈りをなし
イエス氏にも敬拝すらく
平常一度び逢うことの何ぞ遅きや
心し給え心し給え
東半島大韓帝国に心したまえ

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国枝史郎

【剣侠】

「長の月日お父上の敵、陣十郎めを討とう討とうと、千辛万苦いたしても、今に討つことならぬとは、われわれ二人神や仏に、見放された結果かもしれませぬ……将来どのように探そうとも、陣十郎の行衛結局知れず……知れずじまいになろうもしれませぬ……わしにとっては無念至極ではござるが、澄江殿にとってはその方が、かえってよいかもしれませぬのう……アッハッハッよいともよいとも!」

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井上円了

【西航日録】

他日、一大プロフェッサーとなりて帰朝あるは、今より期して待つべきなり。また同氏の宅において、河口慧海氏に会するを得たるは、奇縁といわざるべからず。氏もまた哲学館出身にして、さきに千辛万苦をなめ、九死に一生を賭して、ヒマラヤ山中、無人の絶境に入り、ついに入蔵の目的を達するを得。

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夢野久作

【斬られたさに】

関所破りの疑いをかけたらしい腕利きの老人に、どこからともなく附き纏われまして生きた空もなくい廻わされました時の、怖ろしゅう御座いましたこと……それから四国路まで狭迷さまよいまして、千辛万苦致しました末、ようようの思いで当地に立越えてみますれば……

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吉川英治

【三国志 赤壁の巻】

兄君の孫策そんさく、いずれも寡兵かへいをひっさげて、戦乱の中に起ち、千辛万苦の浮沈をつぶさにおなめ遊ばして、はじめて、呉の基業をおひらきなされたものじゃが、そなたのみは、まったく呉城の楽園に生れて楽園に育ち、今、三代の世を受けついで君臨しておられる。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23