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切歯扼腕
せっしやくわん
作家
作品

小酒井不木

【塵埃は語る】

 富田氏邸を先へ出られた夫人がもう来られてもよかりそうであるのに来られないのは、やはり悪漢たちのために誘拐されたのであろう。拳骨団は、富田氏の坊ちゃんを誘拐し、俊夫君を誘拐し、次いで富田夫人を誘拐したのである。こう考えると私は、拳骨団の行動がにくらしくてなりませんでした。といって私はどうにも仕様がありません。むなしく切歯扼腕せっしやくわんするより他はありませんでした。

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坂口安吾

【握った手】

「オレは人生を割りきっているだけだ」とは、なんて壮大な言葉だろう。彼の今までの人生におよそ無縁な、そして、その瞬間まで思いもつかなかった言葉だ。オレの人生が割りきれたら、と今までどんなに切歯扼腕したか知れやしない。一瞬間に、突然別世界へ走りこんでいたのだ。

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国枝史郎

【ローマ法王と外交】

この僧の風采は、短躯矮小みるかげもないものであり、身には襤褸らんるをまとい腰には縄の帯をしめ、醜穢をきわめていたものの、手に十字架を握り驢馬にまたがり、一度口をひらくや熱弁奔流の如くにほとばしり聞く者をして涙を流させ切歯扼腕させた。上は王侯から下は一般市民をまで感激させたのである。

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小栗虫太郎

【人外魔境 天母峰】

 折竹は、木戸からその報を得たとき、これは黙視できぬ、と考えた。といってそこは、万嶽雲にけむる千三百キロのかなたである。彼は、切歯扼腕せっしやくわん歯噛はがみをして口惜しがったのだ。

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牧逸馬

【戦雲を駆る女怪】

思いあたるところがあるから、エリク・ヘンダスンは、その夜のうちにアフガニスタンへ飛ぶ。
 このアフガニスタンでのヘンダスンの劇的活躍こそは、ドイツ特務機関をして切歯扼腕せっしやくわんさせたもので、この事件があってから、ヘンダスンの身辺はたびたび危険を伝えられた。

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夢野久作

【爆弾太平記】

聴衆の感動は非常なものです。先生の御熱誠の力でしょう。三時間もの大演説がホンノちょっとのにしか感じられませんでした。当局連中もスッカリ感激してしまって、今更のように 切歯扼腕せっしやくわんしているような次第で……私共も一度はドンで年貢を納めさせられた前科者ナッポンサラミンばかりですが、今日の御演説を承りまして初めて眼が醒めました。

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柳田国男

【山の人生】

三河みかわ長篠ながしののおとら狐に至っては、近世その暴虐ことに甚だしく住民はことごとく切歯扼腕せっしやくわんしているのだが、人にくときは必ず鳶巣城とびのすじょうの故事を談じ、なお進んでは山本勘助の智謀、川中島の合戦のごとき、今日の歴史家が或いは小幡勘兵衛の駄法螺だぼらだろうと考えている物語までを、事も細かに叙述するを常とした。

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吉川英治

【私本太平記 風花帖】

「またしても、兄者あにじゃの念入りが、敵にきょを突かせたわ。せっかく勝っていた戦をよ。三井寺はもう奪り返せまい!」
 後手を取った。
 と、直義が切歯扼腕せっしやくわんしたのもむりでない。
 たしかにわずかな時間差だった。洛中の足利方は、みるみるうちに、その優位を逆転されて、苦しい守勢を余儀なくされた。

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Last updated : 2022/11/23