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全知全能
ぜんちぜんのう
作家
作品

夏目漱石

【硝子戸の中】

 もし世の中に 全知全能ぜんちぜんのうの神があるならば、私はその神の前にひざまずいて、私に毫髪ごうはつうたがいさしはさむ余地もないほど明らかな直覚を与えて、私をこの苦悶くもんから解脱げだつせしめん事を祈る。

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太宰治

【人間失格】

 しかし、嗚呼ああ、学校!
 自分は、そこでは、尊敬されかけていたのです。尊敬されるという観念もまた、はなはだ自分を、おびえさせました。ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、或るひとりの全知全能の者に見破られ、木っ葉みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる、それが、「尊敬される」という状態の自分の定義でありました。

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寺田寅彦

【物理学実験の教授について】

却って意外な結果や現象に対しては十分な興味をもってまともに立向かい、判らぬ事は判らぬとして出来る限りの熱心と努力をもってその解決に勉めなければなるまい。これは一見生徒の前に自分の無知を表白するように見える。ことに中学程度の生徒には教員の全知全能を期待するような傾向があるとすれば、なおさら教員の立場は苦しい訳であろう。

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永井隆

【ロザリオの鎖】

私は、科学の道は人より発する努力である、人の能力に限界があるために、科学そのものにも限界があって、全知全能の神を完全に捉えることはできない、と答えました。神、真理──科学的方法のみをもってしては、真理を全的に手に入れることはできないと思っています。黒ありはつぼの中の砂糖を手に入れることができませんでした。

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戸坂潤

【イデオロギーの論理学】
事物が含む云わば一〇〇の内容を、夫々の性質は幾つかずつ分け占めていると考えられる。かくて例えば神は全知全能という特質によってその内容の大部分を分け占められると考えられる。併し或る事物に就いて何が顕著であり何が顕著でないかは決して事物それ自身だけによって決定され得ることではない。

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宮本百合子

【日記 一九二三年(大正十二年)】

母性は、男の側からも女の側からも尊重すべく、習俗的に教え込まれ、自覚して居る。而も、余り、母性そのものの先験的価値を高く盲信しすぎて居る為、一方に於て、そのよき発育進化を促し得ないとともに、少し、理智的な者に、一種反感に似た不快を与えて居る。親の無反省、良心の鈍磨は、次代の子供達が或程度まで成長すると、必ず失望と同時の批判的傾向を助長させる。それを見て、親は必死に、親心の全知全能を承認させようとし、子は、同じ力の反動で、それを否定し、虚偽や、利己心や偽善を摘発する。

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三好十郎

【その人を知らず】

私たちを助けて下さい、神さま! 友吉さんを助けてください! 兄さんを助けて下さい! 友吉さんの家の人たちを助けて下さい! あなたは、私たちの救い主でいらっしゃいます。あなたは天と地の主でいらっしゃいます。あなたは全知全能の神でいらっしゃいます。あなたのおぼしめしがなくては、野原の小さな花も咲きません。

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夢野久作

【ドグラ・マグラ】

 ……すべては脳髄の思召おぼしめしなのだ……。
 科学の発見した脳髄こそ、現実世界に於ける全知全能の神様なのだ」
 ……と……。

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Last updated : 2022/11/23