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前人未踏
ぜんじんみとう
作家
作品

堀辰雄

【ゲエテの「冬のハルツに旅す」】

 さう祈りつつ、詩人はその愈※(二の字点、1-2-22)困難なるハルツ登攀を續ける。そして自分が何物かから加護せられてゐるといふ信念を得つつ、幾多の艱難に耐へゆくのであつた。
 數日後、旅人は逐に前人未踏のブロッケン山の絶頂を極める。きり立つた花崗石の頂きに禿鷹のやうに立つた詩人――彼の上方には明るい明るい空がある、そこからは太陽が烈しく灼きついて、外套の襞からは焦げ臭い匂ひが立つ程だ。

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太宰治

【檀君の近業について】

 檀君の仕事の卓拔は、極めて明瞭である。過去未來の因果の絲を斷ち切り、純粹刹那の愛と美とを、ぴつたり正確に固定せしめようと前人未踏の修羅道である。

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坂口安吾

【清太は百年語るべし】

 さて、君のエピグラム的労作の第一歩がきられた。全て人間のエピグラム的弱点にこざかしい皮肉の武器をもつて対立するものがかのメフィストフェレスであるなら、さうしてメフィストフェレスを圧倒するものが一にかかつてひたむきな誠意と情熱とでありますならば、バルザックと同じやうに生ける情熱の印刷機械であるところの君はたとひ天性世に稀な慌て者であるとは云へ(失礼!)ついにバルザックを語りきるといふ君の前人未踏の念願を達成することは至難の業でありますまい。乞御自愛。

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岸田國士

【福田恆存君の「キティ颱風」】

 しかしながら、これは別に、戯曲の本質を無視したり、前人未踏の試みを敢てした結果にはならず、可なりの抵抗を予想してゐた私の期待はいくぶん外れたが、それは残念でもない。

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小島烏水

【日本山岳景の特色】

 しかし今日では、日本アルプス大山系も、南は赤石白峰連嶺、中央は木曾山脈、北は濃飛高原からかけて、飛騨山脈に至るまで、参謀本部の陸地測量部員や、日本山岳会会員によって、縦走せられて、前人未踏などいう聖地も、処女の森林も、先ず絶無になり、参謀本部の五万分一図も、これらの日本アルプス地方をはじめ、山岳の部に属する地図が、一番売行が早いという話を、聞くようになって来ると、前とは反対に、一部の登山家連中には、登山ということは、水成岩もしくは火成岩の、 蜿蜒えんえんとした大山系や大連嶺に限られたかのようになって、火山は浅薄で張合のないものとして顧みられなくなった傾向がある、

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織田作之助

【聴雨】

 ある時、坂田はかう語つた。それ故、彼は駒の音を立てるやうなことは決してしない。
 九四歩もまたフワリと音もなく突かれた手であつた。いはば無言の手である。けれど、この一手は「坂田の将棋を見とくなはれ。」といふ声を放つて、暴れまはり、のた打ちまはつてゐるやうな手であつた。前人未踏の、奇想天外の手であつた。

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小栗虫太郎

【黒死館殺人事件】

ですから、この図を宇宙自然界の法則と対称することが出来るとすれば、当然、そこに抽象されるものがなけりゃならん訳でしょう」と法水が、突如前人未踏とでも云いたいところの、超経験的な推理領域に踏み込んでしまったのには、さすがの検事も 唖然あぜんとなってしまった。

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正岡容

【小説 圓朝】

 やがて十一月――。
 ようやく圓朝は前人未踏の鳴物噺というものを、高座へのせた。
 高座の後ろ一面の浅黄幕。
 オヤッとお客が、目をみはっているところへスーッとでてきてスラスラと普通の人情噺を喋っていく。

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宮本百合子

【獄中への手紙 一九四一年(昭和十六年)】

「ケーテ」面白く思って下すって満足です。私は芸術家の女のひとの伝記がもうすこしあったら面白かったと思います、音楽とか絵とかね。本朝女流画人伝というものだって私が書いてわるいということはないわけでしょう? そういう仕事だって、やはり前人未踏なのよ。いろんな女がどうして女の業績全般に対してひどく無頓着なのでしょうね。

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永井隆

【ロザリオの鎖】

 ここまで来ればもう人知の最高所であろう。専門学科のまた専攻研究の前人未踏の境地をこつこつと開いて登っているのである。参考書にも書いてない、誰にたずねても知らない、ただ自力でよじ登る私である。

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Last updated : 2022/11/23