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絶体絶命
ぜったいぜつめい
作家
作品

夏目漱石

【自転車日記】

こうなってはいくら女の手前だからと言って気取る訳にもどうする訳にも行かん、両手はふさがっている、腰は曲っている、右の足は空をけっている、下りようとしても車の方で聞かない、絶体絶命しようがないから自家独得の曲乗のままで女軍の傍をからくも通り抜ける。

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芥川龍之介

【保吉の手帳から】

 保吉は 絶体絶命ぜったいぜつめいになった。この場合唯一ゆいいつ血路けつろになるものは生徒の質問に応ずることだった。それでもまだ時間が余れば、早じまいをせんしてしまうことだった。彼は教科書を置きながら、「質問は――」と口を切ろうとした。

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高村光太郎

【九代目団十郎の首】

五代目菊五郎と並んだ写真では菊五郎の方がわずかに背が高い。その短躯たんくが舞台をはみ出す程大きいのである。彼は肥っても居ずせても居なかった。彼の大きさは素質から来ている。深みから来ている。血統から、荒事師の祖先から来ている。絶体絶命の大きさなのである。

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菊池寛

【仇討禁止令】

 先刻からも、頼母の必死の形相に、見るに堪えない思いをしながら、際あらばと、太刀を構えていたのであるが、相手にそれと知られては、いよいよ思い乱れて、手練の太刀先さえ、かすかに震えてくるのであった。
「天野氏、拙者が代る!」いら立った山田が、新一郎を押しのけようとする。こうなっては、新一郎も絶体絶命の場合である。
「助太刀無用、拙者がやる!」新一郎は、そういって、山田を押しのけると、「伯父上、御免!」と、必死の叫びを挙げて、相手が楯にしている床柱を逆に小楯にして、さっと身を寄せると、相手の切り下ろす太刀を避けながら、左の片手突に、頼母の左腹を後の壁に縫いつけるほどに、突き徹した。

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坂口安吾

【呉清源】

 勝負師とか、すべて芸にたずさわる者の心は、悲痛なものだ。他人の批評などは、とるにも足らぬ。われ自らの心に於て、わが力の限界というものと、常に絶体絶命の争いを、つゞけざるを得ない。当人が偉いほど、その争いは激しく、その絶望も大きい。

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与謝野晶子

【食糧騒動について】

彼らは最も米穀の供給のすくない土地に住み、そうして高価な米を買うことの最も困難な境遇にいて、この一両年間、絶えず日々の食糧に苦心を払い、殊に最近三カ月以来は米価の可速度的な[#「可速度的な」はママ]暴騰につれて減食の苦痛を続け、最後に一升五十銭を越すという絶体絶命の窮境に追い詰められ、饑餓と死の間に挟まるに及んで、恥も道徳も忘れた(忘れざるを得なかった)最後の非常手段を取るに到りました。

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岡本かの子

【勝ずば】

 政枝は自分でも知らずに「くすん」と微笑んだ。思いがけない表情に両親と姉の静子はこれを見て患者が最期に頭がどうかなるのだと思った。母親は慄えて念仏を唱えている。みな思わずにじり寄って政枝の顔を見詰めた。多可子は絶体絶命の気持ちで袖を掻き合わせ、眼を つむっていた。

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楠山正雄

【安達が原】

「やい、坊主ぼうずめ、あれほどるなといった部屋へやをなぜたのだ。げたってがしはしないぞ。」
 というのが、にとるようにこえるので、ぼうさんはもういよいよ 絶体絶命ぜったいぜつめいとかくごをきめて、一心いっしんにおきょうとなえながら、はしれるだけはしって行きました。

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下村千秋

【とんまの六兵衛】

「コラ! 早く判じ当てんか。」と殿様は催促さいそくしました。
 いよいよ 絶体絶命ぜったいぜつめいです。これももとはといえば重吉じゅうきちのいたずらから出たことです。思えば重吉がうらめしくなりました。

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松本泰

【謎の街】

「見ず知らずの方に突然こんなことをお願いしたら、定めし変なやつだとお思いになるでしょうが、どうぞわたしを助けてください。わたしはいま、絶体絶命の位置にいるのです。こんなことを申しては失礼ですけれども、わたしはあなたをお見かけした瞬間、きっとあなたならわたしのこの妙な話を平気で聞いてくださると思って、つい声をおかけしたのでございます」
 青年はそう言いながらも、落ち着きのない視線をわたしの肩越しに後ろへ投げている。
「きみを助けるのですって? わたしにそんな力があるでしょうか? 絶体絶命命だのなんだなのって、それはいったい何のことです?」
「まったく、あり得べからざることなのです。けれども、事実は迫ってきているのです。このままでいたら、わたしは数日中に殺されてしまうでしょう

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Last updated : 2022/11/23