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白河夜船/白川夜船/白河夜舟/白川夜舟
しらかわよふね
しらかわよぶね
作家
作品

正岡容

【小説 圓朝】

 初代のお引合わせだろうか、つづいてもう一人、弟子がきた。
 これは白魚河岸のほうの床屋の職人で、二十一になる銀吉という、目のキラリと光る侠気いなせな若いだった。
 小勇と名乗らせた。
 大工上がりの萬朝はおよそしまらない男で、朝は師匠の圓朝より遅く起きた。夜は圓朝が席からかえってくるともう枕を外してグーグー高いびきの白河夜船だった。
 見兼ねて圓朝が、
「ねえお前どうでもいいけれど、かりにお前昼寝をしてでも朝は私より早く夜は私より遅く寝るってわけにゆかないかねえ」

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海野十三

【蠅男】

 天井裏を、何か重いものがソッとひきずられるような気持ちのわるい音がした。――しかし糸子は、何も知らないで睡っていた。
 ゴソリ、ゴソリと、その不気味な物音は、糸子の睡る天井裏をっていった。何者であろうか。召使いたちも、 白河夜舟しらかわよふね最中さいちゅうであると見え、誰一人として起きてこない。
 危機はだんだんと迫ってくるようである。

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夢野久作

【山羊髯編輯長】

 ここ迄読んで来た吾輩も呆れてしまった。昨夜飲まされたカクテールの睡眠薬に引っかけられて二十時間近くも 白河夜船しらかわよふねでいるにチャント新聞記事にされてしまっている。おまけにホテルの支払まで済まされて姓名不詳扱いにされていれあ世話はない。アラ行ッチャッターの辻占つじうらがチット当り過ぎた。

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林不忘

【釘抜藤吉捕物覚書 宇治の茶箱】

「すまねえ。」
 と勘次は火吹竹片手にどなった。
「今し方頭の常公が来て話して行ったが、親分、徳撰じゃえれえ騒動だってえじゃありませんか。知らぬが仏でこちとらあ白河夜船さ、すみません。ま、勘弁してくんねえ。それで 犯人ほしは?」
「世話あねえやな。」
 釘抜藤吉は豪快に笑った。

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国枝史郎

【善悪両面鼠小僧】

「次郎吉どん、おいでかな?」
「離れの方に……まだやすんで……ホホホ」とお松は笑う。
白河夜船か。ちと困ったな」
「すぐ起こして参ります」
「少し訊きたいこともあり、少し話したいこともある。それでは呼んで来て貰おうかな」
「かしこまりましてございます」
 間もなく次郎吉は遣って来た。

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佐々木味津三

【旗本退屈男 第六話 身延に現れた退屈男】

 ふけるにつれて、参籠所はギッシリと横になる隙もない程の人でした。百畳、いや二百畳、いや、三百畳敷位もあろうかと思われるその大広間と、虫のように黒くうごめくその数え切れぬ人々を、ぼんやり暗く照らしているのは、蓮華燈が六つあるばかり。その明滅するあかりの下で、鮨詰めの善男善女達が、襲いかかる睡魔を避けようためにか、蚊の唸るような声をあげて、必死とナンミョウホウレンゲキョウを唱えつづけました。
 しかし、眉間の傷も冴えやかなわが早乙女主水之介は、うしろの柱によりかかって、いとも安らかに白河夜船です。まことに、これこそ剣禅一味の妙境に違いない。剣に秀で、胆に秀でた達人でなくば、このうごめく人の中で、しかも胡坐あぐらを掻いたまま、眠りの快を貪るなぞという放れ業は出来ないに違いないのです。

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中里介山

【大菩薩峠 新月の巻】

 奥の一間のことは問題外として、白河夜船を漕いでいた宇治山田の米友が、俄然として居眠りから めました。
 それは、たしかに、たった今、軒を伝うてさっと走ったものがあったからです。
 つまり、今時いまどき、このところを走るべからざるものが走ったから、それで米友が俄然として眼をさましたのです。走るべきものが走ったのならば、米友といえども、こんなにあわただしく居眠りから醒めるはずはありません。

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若山牧水

【一家】

 曾て姉妹きやうだいとも同時に流行の麻疹はしかに罹つたことがある。最初は非常の熱で、食事も何も進まなかつた。その當時の或る夜自分は十時頃でもあつたか外出先から歸つて來た。所が、しきりに子供が泣いて居る。それも病體ではあるしよほど久しく泣いてゐたものと見えその聲もすつかり勞れ切つて呻吟うめくやうになつてゐた。兩人ふたりの病人を殘して夫婦とも何處へ行つたのだらうと一度昇りかけた階子段はしごだんから降りて子供の寢てをるへやのぞいて見ると、驚くべし細君はその子供の泣く枕上に坐つてせつせ白河夜舟を漕いで居るのであつた。それのみならず ひどく子供の看護を五月蠅うるさ がつて仕事が出來ずに困りますと言ひきつてゐた。

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夢野久作

【ドグラ・マグラ】

十二時の午砲ドンを聞きますと同時に、鍬を投げ出して病室に帰って、サッサと食事を済まして、ゴロリと寝台の上に横になるところまで、五代前の儀十の生れ代りとしか思えませぬ。但し一度寝てしまいますと、疲労が甚しいせいか、あくる朝までブッ通しに 白河夜舟しらかわよふねで、晩飯も何も喰いませぬ。おおかた夢の中で、曾々祖父の儀十になって、大身代でも作っているので御座いましょう。

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Last updated : 2022/11/23