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諸説紛紛/諸説紛々
しょせつふんぷん
作家
作品

芥川龍之介

【河童 どうか Kappa と発音してください。】

 トック君の心霊はこの問に答うるにさらに問をもってしたり。こはトック君を知れるものにはすこぶる自然なる応酬おうしゅうなるべし。
 答 自殺するは容易なりや否や?
 問 諸君の生命は永遠なりや?
 答 我らの生命に関しては諸説紛々ふんぷんとして信ずべからず。幸いに我らの間にも基督教キリストきょう、仏教、モハメット教、拝火教はいかきょう等の諸宗あることを忘るるなかれ。
 問 君自身の信ずるところは?
 答 予は常に懐疑主義者なり。

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太宰治

【津軽】

津軽氏は近衛関白尚通の後裔と称してゐる。しかし一方では南部氏の分れであるといひ、或ひは藤原基衡の次男秀栄ひでしげの後だとも、或ひは安東氏の一族であるかの如くにも伝へ、諸説紛々適従するところを知らぬ。」と言つてゐる。

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菊池寛

【二千六百年史抄】

 伏見鳥羽の一戦に朝廷の[#「朝廷の」はママ]汚名を着た、徳川慶喜に対する処断は、当時諸説紛々で、初めの中は死刑論が圧倒的に多かつた。薩長の諸将は慶喜を憎むこと甚だしく、ぜひこれを 誅戮ちゆうりくして、刑典を正さねばならぬと主張する者が多かつたのである。
 この時に於て、明治天皇は三條実美さねとみを召されて、徳川家の旧勲を失はざるやうに処置せよ、との有難き宸翰しんかんを賜うてゐる。

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萩原朔太郎

【宿命】

   死とは何だらうか? 自我の滅亡である。では自我エゴとは何だらうか。そもそもまた、意識する自我エゴの本體は何だらうか? デカルトはこれを思惟の實體と言ひ、カントは認識の主辭だと言ひ、ベルグソンは記憶の純粹持續だと言ひ、シヨペンハウエルと佛教とは、意志の錯覺によつて生ずるところの、無明と煩惱の因縁いんねんだと言ふ。そして尚近代の新しい心理學者は、自我の本體を意識の温覺感點だと言ふ。諸説紛紛。しかしながら、たとへそれが虚妄の幻覺であるとしても、デカルトの思惟したことは誤つてない。なぜなら「我れが有る」といふことほど、主觀的に確かな信念はないからである。

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岡倉覚三
村岡博訳

【茶の本】

「力囲希咄」を「リキイキトツ」と読むのは、元禄げんろく十五年出版の、河東散人鷯巣りょうそう藤村庸軒ふじむらようけんの説話を筆録したという「茶話指月集」の読み方によったものである。意味は徳川時代から茶人の間の問題となっていて、諸説紛々今泉雄作いまいずみゆうさく氏の説では、禅のかつのような一種の間投詞で、「ええなんじゃいの」といった意味であるとのこと。

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夢野久作

【ざんげの塔】

 四人の嫌疑者の中には、私を怨んでいるものと、私の無罪を信じてくれるものと、ふた通りあった。班内でも諸説紛々という有様であったらしい。誰かが私の餅を盗みかけていたのだという者もあった。
 いずれにしても「誰かがあの風呂敷の事を白状したら」と意地になって、四人の苦痛を問題にしていなかった私の卑怯さを思い出すとその都度に、大声で叫びたいような気持になる。

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吉川英治

【随筆 私本太平記】

 菊水紋の話になる。
 楠木家の菊水ノ紋については、郷土の間でも、諸説紛々で、一定はないらしい。朝廷から賜わったとするのが従来多い説だが、ここの郷里には、おもしろい口碑がある。「――菊水の菊は、菊の花でなく、山吹に流水を添えた山吹ノ紋だった」というのである。

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Last updated : 2022/11/23