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秋霜烈日
しゅうそうれつじつ
作家
作品

石川啄木

【雲は天才である】

朱雲の手紙に「独眼竜ダヨ」と頭註がついてあつたが、自分はたゞ単に、ヲートルローの大戦で誤つて一眼を失つたのだらう位に考へて、敢て其為めに千古の真骨頭ナポレオン・ボナパルトの 颯爽さつさうたる威風が、一毫たりとも損ぜられたものとは信じなんだのである。或は却つて一段秋霜烈日の厳を増したのではないかと思つた。忠太は体を横に開いてヒヨコリと頭を下げる。や否や、逃ぐるが如く出て行つてしまつた。
自分は力の限り二三度瞬いて見て、そしてまた力の限り目を睜つた。然しダメである。ヲートルローの大戦に誤つて流弾の為めに一眼を失ひ、却つて一段秋霜烈日の厳を加へた筈のナポレオン・ボナパルトは、既に とこしなへに新田耕助の仰ぎ見るべからざるものとなつたのである。

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菊池寛

【四条畷の戦】

 最近公刊されたものであるが『密宝楠公遺訓書』と云う本がある。正成が正行まさつらに遺言として与えたものであると云う。その中に、
「予討死する時は天下は必ず尊氏の世となるべし。然りと云へども、汝、必らず義を失ふことなかれ。夫れ諸法は因縁を離れず。君となり臣となること、全く私にあらず。生死禍福は、人情の私曲なるにしたがはず。天命歴然としてのがるゝ処なし」とある。少し仏法臭を帯びては居るが、一段秋霜烈日の如き遺言である。

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穂積陳重

【法窓夜話】

とつ、汝腐儒ふじゅ。朕汝が望を許さん。
暴君の一令、秋霜烈日の如し。白刃一閃、絶世の高士身首その処を異にした。

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佐々木味津三

【老中の眼鏡】

「国政多難の昨今、廟堂びょうどうに立つものにその位の敵あるは当り前じゃ。行けい」
  秋霜烈日しゅうそうれつじつとした声だった。

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相馬愛蔵
相馬黒光

【一商人として ――所信と体験――】

『今日のあなたの店の通知、あれは何ですか』内村先生は逝去せられて今年はもう八年になるが、故植村正久先生、松村介石先生とともに当時基督教界の三傑と称せられたもので、明治大正昭和にわたって思想界宗教界の巨人であった。ことにその厳として秋霜烈日的なる人格は深く畏敬せられ、 おのずと衆人に襟を正さしむるものがあった。

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神西清

【灰色の眼の女】

こちらが少しでも愚図つかうものなら、忽ちキラリとその眼が一閃するので、流石のブラウエンベルグ氏ですらこの手に掛つては、にやにや笑ひながら立ちあがつて、早々に店仕舞ひにかからなければならない。おそらくジルコーヴィチ氏は、紀律そのものを愛してゐるのではあるまい。寧ろその秋霜烈日 しゅうそうれつじつの命令が立ちどころに履行されてゆく爽快味を満喫してゐると言つた方が、当つてゐるかもしれない。ともあれこの人の通つて行つたあとは、まるで夕立がさあつと通りすぎたあとのやうな爽かさであつた。

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夢野久作

【梅津只圓翁伝】

 こんな風だったから翁が恐れられていた事は非常なものであった。実に秋霜烈日の如き威光であった。
 能の進行中、すこし気に入らぬ事があると楽屋に端座している翁は眼を据えて、唇を一文字に閉じた怖い顔になりながらムクムクと立上って、鏡の間に来る。幕の間から顔を出して舞台を睨むと、不思議なもので誰が気付くともなく舞台が見る見る緊張して来る。

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林不忘

【丹下左膳 日光の巻】

「ごめん!」
 とうめきざま! 血迷ったか丹波、突然その釣瓶落しを振りかぶるが早いか、それこそ、秋の日ならぬ秋の霜、 秋霜烈日しゅうそうれつじつのいきおいで、大上段に斬りつけたのです。

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Last updated : 2022/11/23