ものの数え方・助数詞
《 コラム - ちょっと知識 》
握りずし『一貫いっかん』の不思議
7.  辞典に登場した時期などを一覧で

  • 文中に、「今から○○年前」というような表現が出てきます。これは毎年更新されますが、その出来事がその年の「何月」であったのかの考慮はなされていません。
  • 「すし」は、『鮓』『鮨』『寿司』などの漢字を使うことがありますが、ここでは、引用した文献による表記以外は、基本的に「すし」としています。
  • 引用した文献で、歴史的仮名遣いから現代仮名遣いに変えているものがあります。
  • 文中、敬称を省略しています。
7.   辞典に登場した時期などを一覧で
  •  前項で見たように、「カン」を「握りずしを数える助数詞」として掲載する辞典が見られるようになったのは21世紀になってからでした。
     ここでは、調査をした46種類の辞典について、「握りずしの助数詞」が掲載されている辞典を年表で、また、調査をした全ての辞典を一覧の表で見てみます。
  • 【国語辞典の調査結果年表】
    調査結果年表を拡大図で見る
  • 【調査をした46種類の国語辞典】
    『言海/大槻文彦』1891・明治24年 『日本大辞典/博文館』1896・明治29年
    『大日本国語辞典/冨山房』1915・大正4年 『大字典/啓成社』1917・大正6年
    『言泉/大倉書店』1922・大正11年 『大辞典/平凡社』1935・昭和10年
    『角川国語大辞典』1982・昭和57年 『三省堂広辞林』1983・昭和58年
    『小学館言泉』1986・昭和61年 『学研国語大辞典』1988・昭和63年
    『小学館国語大辞典』1988・昭和63年 『角川大字源』1991・平成3年
    『東京印書館国語辞典』1991・平成3年 『角川最新国語辞典』1993・平成5年
    『三省堂辞林21』1993・平成5年 『講談社新大字典』1993・平成5年
    『新潮国語辞典』1995・平成7年 『講談社日本語大辞典』1995・平成7年
    『角川新国語辞典』1995・平成7年 『三省堂小学国語辞典』1995・平成7年
    『角川必携国語辞典』1995・平成7年 『角川国語辞典 新版』1996・平成8年
    『平凡社字通』1996・平成8年 『明治書院精選国語辞典』1998・平成10年
    『新潮現代国語辞典』2000・平成12年 『集英社国語大辞典』2000・平成12年
    『集英社国語辞典』2000・平成12年 『三省堂国語辞典』2001・平成13年
     (前版は、1992・平成4年)
    『小学館日本語大辞典』2001・平成13年 『講談社国語辞典』2004・平成16年
    『小学館現代国語例解辞典』2005・平成17年 『旺文社国語辞典』2005・平成17年
    『三省堂大辞林』2006・平成18年
     (前版は、1995・平成7年)
    『三省堂例解新国語辞典』2006・平成18年
     (前版は、2002・平成14年)
    『学研常用国語辞典』2006・平成18年 『学研現代新国語辞典』2007・平成19年
    『岩波 広辞苑』2008・平成20年
     (前版は、1998・平成10年)
    『岩波国語辞典』2009・平成21年
     (前版は、2000・平成12年)
    『明鏡国語辞典』2010・平成22年
     (前版は、2002・平成14年)
    『小学館例解学習国語辞典』2011・平成23年
    『旺文社標準国語辞典』2011・平成23年 『三省堂現代新国語辞典』2011・平成23年
    『学研現代標準国語辞典』2011・平成23年 『小学館新選国語辞典』2011・平成23年
    『三省堂新明解国語辞典』2011・平成23年 『小学館大辞泉』2012・平成24年
    • 」印は、「握りずし」の数え方が載っている辞典名、初出の刊行年、及び、初出の前の版の刊行年です。
    • この表は、46種類の辞典の、2013年・平成25年1月現在の最新刊までの調査結果です。
    • 《注1》
       2013年以降の調査では、2017年(平成29年)12月刊の「学研現代新国語辞典改訂第六版」の「貫」の項目に、「握り寿司」の数え方が掲載されました。ただし、この表には反映させていません。(前項の『 6.辞典に「すし」の数え方はどのように登場するのか』には掲載しました)
    • 《注2》
       2020年(令和2年)11月刊の「三省堂新明解国語辞典第八版」の「一貫」「貫」の項目に、「にぎりずし」を数える語として掲載されました。ただし、この表には反映させていません。(前項の『 6.辞典に「すし」の数え方はどのように登場するのか』には掲載しました)
    •  当サイトでは、恐らく辞典の中では最も早く掲載したと思われる『三省堂国語辞典』の発行年である2001年(平成13年)に焦点を当て、その前後の辞典を調べることに注力しました。従って、調査の結果としてはこれ以降の更新は行わない方針です。
    • 「握りずし」の数え方が載っている辞典のうち、『三省堂国語辞典』『三省堂例解新国語辞典』『岩波国語辞典』は、初出後に最新刊が刊行されています。最新刊での調査も行いました。
    • 調査は刊行版をさかのぼるため、種類は46種類ですが延べ調査数はこれを上回ります。

    ・文献などによる情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご連絡ください

  •  次の項では、「一カン」とは、いくつのことなのかを探ってみます。

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Last updated : 2023/04/16