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判じ絵・地口絵

 江戸時代、庶民の知的娯楽のひとつであった 判じ絵はんじえ地口絵じぐちえ と呼ばれる絵がある。

判じ絵はんじえは、判じ物とも呼ばれ、絵画に隠された意味や言葉を当てさせるなぞ解き。

地口じぐちは、駄洒落の一種で、 語呂ごろ 合せのこと。よく使われる言葉やことわざを発音の似通った語句に置き換え、違った意味に読み替える言葉遊び。元の言葉を当てたりする言葉遊びにも使われる。

 戯作者げさくしゃ を中心に言葉などが作られ、浮世絵師が様々な趣向を凝らした版本も作られた。

十二支はんじもの
  • これは、判じ絵はんじえ
  • 十二支や年中行事などを判じ物にしたもの。
  • 作者不明。ボストン美術館蔵。
  • ボストン美術館によれば、天保14年〈1843年〉– 弘化4年〈1847年〉の作品。
  • 当サイトにおいて未判読のものがいくつかある。
  • また、当サイトの判読が正しいかどうか自信のないものもある。
  • 全体を通してヒントなどをお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご教示いただきたい。
十二支はんじもの
門松 初午 雛様 おしゃか のぼり 天王 七夕 月見 菊月 えびすこ いわい もちつき
ね うし とら う たつ み うま ひつじ さる とり いぬ い
「十二支はんじもの」 
《ヒント》
門(かど)で待つ人
《答え》
門松(かどまつ)
《ヒント・一部未判読》
「葉」と、「〈不明・未判読〉」と、「魔(ま)」
この絵が判読できない。「つ」「う」という読みになるであろうと思われるが、この籠の意味・名称が不明。
《答え》
初午(はつうま)
《ヒント》
「火」と、「菜」と、中央部がない「さんま」
《答え》
雛様(ひなさま)
《ヒント》
「尾」と、撥を持って「三味線を弾く女」の一部と、「瓜(か)」が配された家紋
《答え》
おしゃか〈お釈迦〉(お釈迦様の誕生日の灌仏会を表すか)
《ヒント》
「野」を掘る男
《答え》
「のぼり」
《ヒント》
「ところてん」の下の部分と能(のう)
江戸時代、「ところてん売り」が道具一式を担いで売り歩いていた。
『江戸時代の職業・風俗/職人尽絵詞』  
《答え》
天王(てんのう)
《ヒント》
「棚(たな)」と、「旗(はた)」
《答え》
七夕(たなばた)
《ヒント》
餅つきの臼が描かれ、これを「つき」として、その臼に置かれた刀身の「み」
《答え》
月見(つきみ)
《ヒント》
怪談「番町皿屋敷」の「お菊さん」を武士が鎗で突いている。
《答え》
菊月(きくづき)
《ヒント》
「絵」と、「琵琶」の半分と、「馬尾毛(ばす)」と、「子」
「絵」は絵巻物と思われる。琵琶は半分で「び」。次の絵が「馬尾毛(ばす)」と呼ばれる物の一種で胡弓の弓が描かれこれを「す」とするか。
《答え》
えびすこ
これは「恵比須講」であろうと思われるが、標題では「ゑびすこ」となっている。
《ヒント》
「岩」と「亥」
《答え》
いわい
《ヒント》
「藻(も)」と、「乳(ち)」と、「きつね」が逆さで下がない。
《答え》
もちつき
《ヒント》
寝転ぶ男
この絵は、「子」と「丑」の二つの判じが入っているのではないかと思われ、一つは男が寝転んで「ね」か。
《答え》
子(ね)
《ヒント》
男がへらを持って円形の物に漆(うるし)を塗る。その中間部分がない。
この絵は、「子」と「丑」の二つの判じが入っているのではないかと思われ、「丑」は、男がへらを持って漆(うるし)を塗っている円形の物の中間部分がなくて「うし」とするか。
《答え》
丑(うし)
《ヒント》
「砥石(といし)」の「と」と、「羅宇(らう)」売りの下半分がない。
「羅宇(らう)」は、キセルの火皿と吸い口をつなぐ竹の管で、江戸時代「羅宇屋」があった。
《答え》
寅(とら)
《ヒント・未判読》
子どもに「うまい、うまい」と言っている絵か。この絵は、「午」とも併用されているか。
《答え》
卯(う)
《ヒント》
旅立つ男
《答え》
辰(たつ)
《ヒント》
旅立つ男の草鞋がほどけて蛇に見えているか。
《答え》
巳(み)
《ヒント・未判読》
子どもに「うまい、うまい」と言っている絵か。この絵は、「卯」とも併用されているか。
《答え》
午(うま・むま)
この当時は、「うま」を「むま」と言っていたため、標題では「むま」となっている。
《ヒント》
「櫃(ひつ)」と、「琴柱」
琴柱(ことじ)の絵は、『じ』と読む固定した音(おん)として使われることが多い。
《答え》
未(ひつじ)
《ヒント》
三行半を渡して去る
《答え》
申(さる)
《ヒント》
酉の市
《答え》
酉(とり)
《ヒント・未判読》
「縫いもの道具」の絵だが、何故「いぬ」となるかは不明。
《答え》
戌(いぬ)
《ヒント》
「井戸」で「井」
《答え》
亥(い)
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Last updated : 2024/06/29