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判じ絵・地口絵

 江戸時代、庶民の知的娯楽のひとつであった 判じ絵はんじえ地口絵じぐちえ と呼ばれる絵がある。

判じ絵はんじえは、判じ物とも呼ばれ、絵画に隠された意味や言葉を当てさせるなぞ解き。

地口じぐちは、駄洒落の一種で、 語呂ごろ 合せのこと。よく使われる言葉やことわざを発音の似通った語句に置き換え、違った意味に読み替える言葉遊び。元の言葉を当てたりする言葉遊びにも使われる。

 戯作者げさくしゃ を中心に言葉などが作られ、浮世絵師が様々な趣向を凝らした版本も作られた。

歌川国芳
其のまま地口そのままじぐち猫飼好五十三疋みょうかいこうごじゅうさんびき
  • これは、地口絵じぐちえ
  • 無類の猫好きであったとされる、江戸時代末期の浮世絵師、 歌川国芳うたがわくによし (寛政9年・1798年 - 文久元年・1861年)の猫を題材にした一枚で、嘉永元年・1848年の作品。
  • 落款は一勇斎国芳。
  • 江戸日本橋から京までの、「東海道五十三次とうかいどうごじゅうさんつぎ 」の各宿場の名称をもじった駄洒落と、猫の様々な仕草や表情などによる絵解き。
  • 三島や亀山には、二本足で立つ「 猫又ねこまた」と思われる猫も描き、何やら楽しそう。
  • 画像は、Wkipedia を利用した。

三枚続き全図
「猫飼好五十三疋」より、猫の五十五態 
《地名》
日本橋(にほんばし)
《地口》
二本だし
〔二本の鰹節=出汁〕
《地名》
品川(しながわ)
《地口》
白かを(白顔)
《地名》
川崎(かわさき)
《地口》
かばやき(蒲焼)
《地名》
神奈川(かながわ)
《地口》
かぐかは(嗅ぐ皮)
《地名》
程ヶ谷(ほどがや)
《地口》
のどかい(喉かい)
《地名》
戸塚(とつか)
《地口》
はつか(二十日)
〔二十日鼠〕
《地名》
藤沢(ふじさわ)
《地口》
ぶちさば
〔鯖を咥えたぶち猫〕
《地名》
平塚(ひらつか)
《地口》
そだつか(育つか)
《地名》
大磯(おおいそ)
《地口》
おもいぞ(重いぞ)
《地名》
小田原(おだわら)
《地口》
むだどら
〔鼠に逃げられ無駄走りのどら猫〕
《地名》
箱根(はこね)
《地口》
へこね
〔鼠に餌を取られへこ寝〕
《地名》
三島(みしま)
《地口》
三毛ま
〔妖怪「猫又」か?〕
《地名》
沼津(ぬまづ)
《地口》
なまづ(なまず・鯰)
《地名》
原(はら)
《地口》
どら〔どら猫〕
《地名》
吉原(よしわら)
《地口》
ぶちはら(ぶち腹)
〔腹もぶち〕
《地名》
蒲原(かんばら)
《地口》
てんぷら(天麩羅)
《地名》
由比(ゆい)
《地口》
たい(鯛)
《地名》
興津(おきつ)
《地口》
おきず(起きず)
《地名》
江尻(えじり)
《地口》
かぢり(囓り)
《地名》
府中(ふちゅう)
《地口》
むちう(むちゅう・夢中)
《地名》
鞠子(まりこ)
《地口》
はりこ(張り子)
《地名》
岡部(おかべ)
《地口》
あかげ(赤毛)
《地名》
藤枝(ふじえだ)
《地口》
ぶちへた(ぶち下手)
〔ぶち猫は鼠取が下手?〕
《地名》
島田(しまだ)
《地口》
なまだ(生だ)
《地名》
金谷(かなや)
《地口》
たまや(タマや)
〔猫の名前?〕
《地名》
日坂(にっさか)
《地口》
くつたか(食ったか)
《地名》
掛川(かけがわ)
《地口》
ばけがを(化け顔)
《地名》
袋井(ふくろい)
《地口》
ふくろい(袋い〔り〕)
《地名》
見付(みつけ)
《地口》
ねつき(寝つき)
《地名》
浜松(はままつ)
《地口》
はなあつ(鼻熱)
《地名》
舞坂(まいさか)
《地口》
だいたか(抱いたか)
《地名》
新居(あらい)
《地口》
あらい(洗い)
《地名》
白須賀(しらすか)
《地口》
じやらすか(じゃらすか)
《地名》
二川(ふたがわ)
《地口》
あてがう(当てがう)
《地名》
吉田(よしだ)
《地口》
おきた(起きた)
《地名》
御油(ごゆ)
《地口》
こい(恋・来い)
《地名》
赤坂(あかさか)
《地口》
あたまか(頭か)
〔目刺しの頭〕
《地名》
藤川(ふじかわ)
《地口》
ぶちかご(ぶち籠)
《地名》
岡崎(おかざき)
《地口》
おがさけ(尾が裂け)
《地名》
池鯉鮒(ちりゅう)
《地口》
きりやう(きりょう・器量)
《地名》
鳴海(なるみ)
《地口》
かるみ(軽身)
《地名》
宮(みや)
《地口》
おや(親)
《地名》
桑名(くわな)
《地口》
くふな(食うな)
《地名》
四日市(よっかいち)
《地口》
よつたぶち(寄ったぶち)
《地名》
石薬師(いしやくし)
《地口》
いちやァつき(いちゃつき)
《地名》
庄野(しょうの)
《地口》
かうの(飼うの)
《地名》
亀山(かめやま)
《地口》
ばけあま(化け尼)
〔妖怪「猫又」か?〕
《地名》
関(せき)
《地口》
かき(牡蠣)
《地名》
坂下(さかした)
《地口》
あかのした(アカの舌)
《地名》
土山(つちやま)
《地口》
ぶちじやま(ぶち邪魔)
《地名》
水口(みなくち)
《地口》
みなぶち(皆ぶち)
《地名》
石部(いしべ)
《地口》
みじめ(惨め)
《地名》
草津(くさつ)
《地口》
こたつ(炬燵)
《地名》
大津(おおつ)
《地口》
じやうず(じょうず・上手)
《地名》
京(きょう)
《地口》
ぎやう(ぎゃう)
〔捕まった鼠の悲鳴〕
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Last updated : 2024/06/29