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判じ絵・地口絵

 江戸時代、庶民の知的娯楽のひとつであった 判じ絵はんじえ地口絵じぐちえ と呼ばれる絵がある。

判じ絵はんじえは、判じ物とも呼ばれ、絵画に隠された意味や言葉を当てさせるなぞ解き。

地口じぐちは、駄洒落の一種で、 語呂ごろ 合せのこと。よく使われる言葉やことわざを発音の似通った語句に置き換え、違った意味に読み替える言葉遊び。元の言葉を当てたりする言葉遊びにも使われる。

 戯作者げさくしゃ を中心に言葉などが作られ、浮世絵師が様々な趣向を凝らした版本も作られた。

歌川芳虎
角力すもう東ノ方はんじもの
  • これは、判じ絵はんじえ
  • 相撲の東方の力士十三人のしこなと、行司一人の名前を判じ物にしたもの。
  • 江戸時代末期から明治時代中期にかけての浮世絵師、 歌川芳虎うたがわよしとら (生没年不詳)の、安政6年・1859年の作品。
  • 落款は一猛斎芳虎。
  • 都立中央図書館特別文庫室所蔵
  •  角力東ノ方はんじもの  
     角力西ノ方はんじもの  
角力すもう東ノ方はんじもの」 
《ヒント》
雲(うん)と、鈴(りん)の半分と、鵜(う)
《力士名》
雲龍(うんりゅう)
《ヒント》
荷(に)を負う(おう)男は一心太助似
《力士名》
仁王仁太輔(におうにだゆう)
*この力士は架空の人物。番付表があるが「偽番付」とされる(飯田昭一編「江戸時代相撲名鑑」)。「太輔(たゆう)」は「たすけ」とも読めることから、判じ絵では「一心太助」を使ったか。
《ヒント》
馬を洗う
《力士名》
荒馬(あらうま)
《ヒント》
赤い火と、肩に濁点。江戸っ子は「火(ひ)」を「し」と
《力士名》
明石潟(あかしがた)
《ヒント》
火を曳く鉈(なた)に濁点
《力士名》
響灘(ひびきなだ)
《ヒント》
輪と、田と、腹
《力士名》
和田ケ原(わだがはら)
《ヒント》
狆(ちん)に濁点で「ぢん」と、甜瓜(まくわうり)の上半分で「まく」
《力士名》
陣幕(じんまく)
《ヒント》
九(く)体の魔物(ま)が谷(たに)にいる
《力士名》
熊ケ谷(くまがえ)
*読み方は「くまがえ」。
《ヒント》
型染めをする武蔵坊
《力士名》
武蔵潟(むさしがた)
《ヒント》
鬼の面と、お産
《力士名》
鬼面山(きめんざん)
《ヒント》
王将の駒が木になっている。そして戸
《力士名》
大鳴戸(おおなると)
《ヒント》
濁点のついた二つの乳を通した竹竿を蚊が担ぐ
《力士名》
虹ケ嶽(にじがたけ)
《ヒント》
田んぼに魔に柿
《力士名》
玉垣(たまがき)
《ヒント》
木と、村と、笙と、助六の上半身
《行司名》
木村庄之助
(きむらしょうのすけ)
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Last updated : 2024/06/29