『浮世絵・錦絵』 などを見る「目次」 喜多川歌麿(きたがわうたまろ)が描いた「娘日時計(むすめひどけい)」。 「辰の刻(たつのこく)」(午前8時頃)から「申の刻(さるのこく)」(午後4時頃)の間の、日中の2時間ごとの江戸の若い女性の生活の場面を描いたもの。 寛政6年〈1794年〉- 寛政7年〈1795年〉 の頃の作品とされる。 喜多川歌麿:江戸時代の浮世絵師。宝暦3年〈1753年頃?〉- 文化3年〈1806年〉。 国立博物館所蔵。 国立博物館所蔵品統合検索システム(ColBase) を利用。 「娘日時計」 = 喜多川歌麿 = 「娘日時計・辰ノ刻」 「辰の刻」は午前8時をさすが、江戸時代には季節によって時間の長さが変わり、日の出の早い夏には、今よりも少し早い時刻だった。顔を洗う手拭を肩に掛けた娘は朝顔の小鉢を手に持ち、傍らに立つ娘は起きたばかりか、着崩れた姿で眠そうに房楊子(ふさようじ)で歯を磨いている。(田沢裕賀氏執筆)(150804_h102)。(出典:ColBase) [国立博物館蔵] 「娘日時計・巳ノ刻」 「巳ノ刻」は午前10時頃。町家の娘と年増の髪結い女を描く。娘は髪結いの話を聞きながら、鏡に髪を映して手をあて満足そうだ。こうした光景は現代でも見ることができるが、本図は、歌麿の女性の心理描写の巧みさを十分に示している。(出典:ColBase) [国立博物館蔵] 「娘日時計・午ノ刻」 本図は正午頃。手拭いを手にし、糠袋をくわえた湯上り姿の二人の娘を描いている。顔に輪郭線を用いておらず、写実的表現に対する歌麿の試みがうかがえる。(出典:ColBase) [国立博物館蔵] 「娘日時計・未ノ刻」 「未ノ刻」は午後2時頃。夏の気だるい午後を、衝立(ついたて)に寄りかかる二人の女の姿をとおして描いている。長い煙管を持つ女と、その女の足元に寄りそう女。お互いに目を合わすこともなく、二人は何を話しているのだろうか。(出典:ColBase) [国立博物館蔵] 「娘日時計・申ノ刻」 「申ノ刻」は午後4時頃。揚帽子(あげぼうし)姿の大店(おおだな)の若い女房が、年増の女中を連れて歩く姿を描く。荷物を持つ女中がうつむき加減なのに対し、女房は白い両腕を出して、右手に扇子を持ち、左手を襟にあてている。顔の輪郭線を描かない冒険的描写がなされている。(出典:ColBase) [国立博物館蔵] 『浮世絵・錦絵』 などを見る「目次」 おすすめサイト・関連サイト…