目黒行人阪火事絵巻（めぐろぎょうにんざかかじえまき）［写］ = 江戸の火消（ひけし）・江戸の纏（まとい） =

火事屋敷の火の見櫓。常時二人の同心が見張りを続けた。

御使番が老中への報告に走る。

鳶口を担ぎ現場へ向かう。

纏を担ぎ、鳶口を担いで現場へ向かう。

土蔵の扉や窓を閉ざし、隙間を土で“目塗り”する人も。

屋根に作った火の見台で様子を伝え、穴蔵に家財道具をしまう人も。

武家火消役も馬上提灯を腰に兜しころも勇ましく……。

橋の上は現場へ向かう火消と避難する人とでごった返す。

武家屋敷から避難する人々。火事装束の奥方も。

屋根では大団扇で火の粉を払い、“水むしろ”で火たたきも。

集合した武家の火消部隊。釜をかぶって避難する人も。

龍土水を担ぎ現場へ。畳を担いで避難する人も。

現場近くの屋根に町火消が拠点を設け、纏を立てる。

竜吐水に水が入れられ、燃えている家並の反対側や屋根の上の纏持達に水を掛ける。

猛火が襲い、屋根から飛び降りる火消も。

猛火と煙が町並みを覆い尽くす。

ようやく火も収まって来たか。土蔵に水を掛けながら手入れをする人も。

焼跡に人々が戻り始め、土蔵の手入れや家財を搬出する人などが忙しく。

焼け落ちた橋の代わりに板切れや畳で仮の橋を作った。

土蔵を残し総てを焼き尽くした大火が去り、ある者は財物を探しある者は残火に水を掛ける。

自分の家のあった場所に戻り、地面を掘り返して探し物をする姿も。

家に戻る人、見舞う人、火事場を調べる役人などで街はごったがえす。

焼け出された大名が家紋を染め抜いた幔幕を張り一時をしのぐ。土蔵は商家や富豪たちの仮住まいに。

復興が始まり、人々は建築資材を運び入れ、大工が忙しく立働く。

屋根には“消し札”が差され、ここで延焼をくい止めた「組」の手柄の目印。

命を張った町火消は気が立っている。威勢のよい火消人足が取っ組み合い。

避難した人々が戻り始め、家財の手入れをする姿も。

復興し始めた町では、安堵の表情も。

運び出した家具を安心な場所に纏め生活した姿も。

活躍した町火消達が意気揚々と帰ってくる。手前岸には露店も。

焼け残った町では庶民が挨拶を交わし、武士が郎党を引き連れ、荷物を運ぶ人々などで賑やか。

火事が収まって人々は町に繰り出し、町火消の梯子乗りに喝采を送る。

復興し始めた平和な江戸下町の姿。

主人の帰りを待つ武家屋敷。

武家屋敷玄関式台で主人の帰りを待つ。玄関脇には水溜桶と手桶が。

絵巻「目黒行人坂火事絵」も終わりに近づく。

鶴と松と太陽を描いて絵巻「目黒行人坂火事絵」は目出度く終わる。