人倫訓蒙図彙に見る、『江戸時代の職業・職人』
= 元禄の商人・元禄の細工人・元禄の職人 = |
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「人倫訓蒙図彙・第四巻・商人部」より
『薬種屋・鮫屋』
【薬種屋】
一切草木鳥獣にいたるまで、薬種数をつくして唐土より渡し、其外和国の薬多く貯て、これを商也。薬の数、本草綱目一千八百九十二種あり。神農本経には三百六十五種あり。
【鮫屋】
されば、さめを武士の調法し給ふは、一戦に向て拳を剣のうちに定む。さめのつぶあらければ、一刀より千刀に及といふとも、う手しりぞかず。むかしは柄に糸を巻といふことなし。中比よりまくなり。異国よりわたす柄鮫、鞘鮫、品々あり。其名はサントメ、チヤハン、なんど目利有事也。京は二条通、江戸は通町、大阪は高麗橋壱丁目にあり。
「人倫訓蒙図彙」は、元禄3年・1690年 に出版された、江戸時代前期・元禄期の生活を図解した風俗事典です。全七巻からなり、公卿から庶人まであらゆる身分の様々な職業を、用いられる器物を上げながら簡単な解説を加えています。著者は分かっていませんが、絵は蒔絵師の源三郎などの筆によるものです。上方で出版され、京都を中心とした当時の風俗や生活を知ることができます。
ここでは、第四巻「商人部」、第五巻「細工人部」、第六巻「職之部」に登場する様々な人々の姿を見てみます。
画像は、元禄3年・1690年 刊・国立国会図書館所蔵によります。
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Last updated : 2024/06/29