人倫訓蒙図彙に見る、『江戸時代の職業・職人』
= 元禄の商人・元禄の細工人・元禄の職人 = |
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「人倫訓蒙図彙・第四巻・商人部」より
『無節竹師・鈴張』
【無節竹師】
品々塗色、化彫、藤巻、青貝等あり。諸商人にこれをうる。中京所々にあり。又菪莨入、紙をもつてさま/"\につくる。所々にあり。革は滑革師これをつくる。寺町通の下にあり。此家刀脇指の寸袋、鏡の覆袋等これをつくる。
【鈴張】
鈴、鷹鈴、神子鈴、神前にかくる鈴あり。内侍所の御鈴の音は、ゆふにやさしきもの也、と古人もほめし也。神道に五十鈴とて鈴の造様、種々の伝あり。天竺にては時をつぐる番の者、鈴をふりて廻る事あり。唐土にては非常をいましむる者、腰につけてこれをしめす。其外高官の束帯にも鈴をつける事也。鷹の鈴師、三条橋東明珍宗長、丸太町通新町の西に一家あり。守の鈴は三条橋東浅田市右衛門、其外所々に是をつくる。
「人倫訓蒙図彙」は、元禄3年・1690年 に出版された、江戸時代前期・元禄期の生活を図解した風俗事典です。全七巻からなり、公卿から庶人まであらゆる身分の様々な職業を、用いられる器物を上げながら簡単な解説を加えています。著者は分かっていませんが、絵は蒔絵師の源三郎などの筆によるものです。上方で出版され、京都を中心とした当時の風俗や生活を知ることができます。
ここでは、第四巻「商人部」、第五巻「細工人部」、第六巻「職之部」に登場する様々な人々の姿を見てみます。
画像は、元禄3年・1690年 刊・国立国会図書館所蔵によります。
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Last updated : 2024/06/29