「近世商賈盡狂歌合」に見る |
『粟餅 曲春 』
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・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
名代〳〵
これはお江戸で御評判の
いくだまや正六の家の看板
あわ餅のきよくつきじや
ソリヤつくヤレつく
〳〵〳〵
なにをつく
麦舂米つく稗をつく
証文手形に判ンをつく
旦那のしりへ供かつく
女郎はお客のえりにつく〳〵
朝のわかれに山寺の
ずんほら坊さんかねをつく
たきつくうそつくくらいつく
いざりのきんたま砂がつく
サツサコレは根元
なだい〳〵〳〵
《近世商賈盡狂歌合》
粟餅曲春
名代〳〵
これはお江戸で御評判の
いくだまや正六の家の看板
あわ餅のきよくつきじや
ソリヤつくヤレつく
〳〵〳〵
なにをつく
麦舂米つく稗をつく
証文手形に判ンをつく
旦那のしりへ供かつく
女郎はお客のえりにつく〳〵
朝のわかれに山寺の
ずんほら坊さんかねをつく
たきつくうそつくくらいつく
いざりのきんたま砂がつく
サツサコレは根元
なだい〳〵〳〵
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
名代 名代
これはお江戸で御評判の
生玉屋 正六が家の看板
粟餅 の曲舂 じゃ
そりゃつく やれつく
そりゃつく やれつく
何をつく
麦舂 米つく稗 をつく
証文手形に判 をつく
旦那の尻へ供がつく
女郎はお客の襟 につく襟 につく
朝の別れに山寺の
ずんぼら坊さん鐘をつく
抱きつく嘘つく食らいつく
居ざりのきんたま砂がつく
さっさこれは根元
名代 名代
《近世商賈尽狂歌合》
粟餅曲春
あわもちきょくづき
これはお江戸で御評判の
そりゃつく やれつく
そりゃつく やれつく
何をつく
麦
証文手形に
旦那の尻へ供がつく
女郎はお客の
朝の別れに山寺の
ずんぼら坊さん鐘をつく
抱きつく嘘つく食らいつく
居ざりのきんたま砂がつく
さっさこれは
『粟餅曲春』(石塚豊芥子・近世商賈尽狂歌合)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
名代/\
これはお江戸で御評判の
いくだまや正六の家の看板
あわ餅のきよくつきじや
ソリヤつくヤレつく/\/\
なにをつく
麦舂米つく稗をつく
証文手形に判ンをつく
旦那のしりへ供かつく
女郎はお客のえりにつく/\
朝のわかれに山寺の
ずんほら坊さんかねをつく
たきつくうそつくくらいつく
いざりのきんたま砂がつく
サツサコレは根元
なだい/\/\
これはお江戸で御評判の
いくだまや正六の家の看板
あわ餅のきよくつきじや
ソリヤつくヤレつく/\/\
なにをつく
麦舂米つく稗をつく
証文手形に判ンをつく
旦那のしりへ供かつく
女郎はお客のえりにつく/\
朝のわかれに山寺の
ずんほら坊さんかねをつく
たきつくうそつくくらいつく
いざりのきんたま砂がつく
サツサコレは根元
なだい/\/\
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
これはお江戸で御評判の
そりゃつく やれつく
そりゃつく やれつく
何をつく
麦
証文手形に
旦那の尻へ供がつく
女郎はお客の
朝の別れに山寺の
ずんぼら坊さん鐘をつく
抱きつく嘘つく食らいつく
居ざりのきんたま砂がつく
さっさこれは
「
「商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」などとも呼ばれます。
この本のタイトルは「商売」(旧字体で「商賣」)ではなく、「商賈(しょうこ)」です。商賈は商人のこと(商売の意味にも使われる)で、この本の別名の「商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」でも「商人」が使われています。
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