天台宗（てんだいしゅう）の経文（きょうもん）

表白（ひょうびゃく）

表白（ひょうびゃく）

謹（つつし）み敬（うやま）って大聖（だいしょう）世尊（せそん）の前（みまえ）に白（もう）す。
我（わ）れ等（ら）と衆生（しゅじょう）と、生死大夜（しょうじだいや）の裡（うち）無明（むみょう）巨無（こむ）の中（なか）に大覚（だいかく）の音（みこえ）を聴聞（ちょうもん）するに、諸法（しょほう）は本（もと）より来（このか）た常（つね）に自（おのずか）ら寂滅（じゃくめつ）の相（そう）なり、仏子（ぶっし）、道（どう）を行（ぎょう）じ已（おわ）りて来世（らいせ）に仏（ぶつ）と作（な）ることを得（え）ん。
是（こ）の法（ほう）、法位（ほうい）に住（じゅう）して世間（せけん）の相常（そうじょう）住（じゅう）なり。
三界（さんがい）は唯（ただ）一心（いっしん）にして心（こころ）の外（ほか）に別（べつ）の法（ほう）無（な）く、心（こころ）と仏（ぶつ）と及（およ）び衆生（しゅじょう）と是（こ）の三（さん）、差別（しゃべつ）あることなしと。
是（こ）の故（ゆえ）に一切（いっさい）衆生（しゅじょう）は究竟（くきょう）じて皆（みな）成仏（じょうぶつ）す。
是（ここ）を以（もっ）て今（いま）我（わ）れ等（ら）、三輪（さんりん）清浄（しょうじょう）の心（こころ）を以（もっ）て修（しゅ）する所（ところ）の大小（だいしょう）の福（ふく）、及（およ）び誦経（じゅきょう）の功徳（くどく）を普（あまね）く極楽国（ごくらくこく）に回向（えこう）し、自他（じた）倶（とも）に夢（ゆめ）を覚（さま）して永（なが）く夢人（むにん）無（な）からしめ、自他（じた）倶（とも）に覚（さと）り満（まん）じて永（なが）く無上（むじょう）の楽（らく）を受（う）けん。