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・ここに掲載した画像は、京都大学附属図書館が所蔵する『大楽金剛不空真実三摩耶経般若波羅蜜多理趣品』です。
- 読み方は「だいらく こんごう ふくう しんじつ さんまやきょう はんにゃ はらみた りしゅ ほん」、まはは「だいらく こんごう ふくう しんじつ さんまやきょう はんにゃ はらみった りしゅ ほん」とされます。
- この訳本は、室町時代の刊とされ、26.3 cm の巻子本(かんすぼん)です。
- 「大楽金剛不空真実三摩耶経般若波羅蜜多理趣品」は、般若波羅蜜多の教えを説く重要な経典で、特に密教において重視されています。この経典は、理趣に基づいて真実の知恵を明らかにし、悟りへの道を示しています。「般若理趣経」または「理趣品」とも呼ばれます。
- この巻本の訳者は「不空(ふくう)」(生年: 705年頃、没年: 774年)です。不空は中国唐代の著名な僧で、インドから伝来した多くの経典を漢訳するなどしました。「不空三蔵法師」や「不空阿闍梨」とも称され、特に密教の伝播に大きく貢献しました。
- 画像の一枚目に「大興善寺三蔵沙門不空奉詔」と見られます。「大興善寺」は、中国、長安にあった寺で、756年、不空が灌頂道場を開いて密教の中心寺院となりました。「三蔵」は、仏教の三蔵(経・律・論)の知識を持つ学者僧を指し、「沙門」は仏教の修行者、僧侶を意味します。「三蔵沙門」は、仏教の経典に精通し、それを研究・翻訳する役割を担った僧侶を指します。「奉詔」は皇帝の命に従って何かを行うことを意味し、ここでは、皇帝の命を受けて翻訳や仏教の伝播活動を行ったことを示しています。
- この「大興善寺三蔵沙門不空奉詔」の表現は、不空が大興善寺に所属し、皇帝の命に従って経典の翻訳や仏教の教えを広めた三蔵法師であったことを意味します。これは、不空の地位や役割を強調するために使われていると思われます。