新撰いろはかるた |
岡本 一平(おかもと いっぺい)
岡本 一平 |
*『一平全集. 第15巻(昭和4年・1929年 - 昭和5年・1930年)』に収載されています。
* 昭和6年・1931年に発行された『子供漫画・平気の平太郎』には「新いろはかるた」として収載されています。
* 新字新仮名遣いとしました。画像の旧字旧仮名遣いとの違いもご覧ください。
* このかるたでは、「いろはに…」から「す」までの四十七文字に加え、「ん」の代わりに「京」の字を入れて四十八枚となっています。この四十八枚の形は「いろはガルタ」とされるものに多く見られます。
い
糸は針に従う
ろ
ろくでなしの理屈言い
は
葉書に親展
に
にら、にんにく、ねぎ、らっきよう
ほ
星も落ちれば石となる
へ
舳は波に叩かれる
と
特価で賑わう百貨店
ち
近道するな蛇がいる
り
力士も蚤になやまさる
ぬ
ぬかるみへ来て威張る長靴
る
留守の奢に不意のお帰り
を
女には女の仕事あり
わ
わからぬくせに知った顔
か
火事は弥次馬
よ
装いこらして路次を出る
た
奉られて損ばかり
れ
礼にもらった大つづら
そ
そっとつねって知らん顔
つ
鶴も崔も鳥仲間
ね
寝てから食べる悪いくせ
な
何はなくとも親二人
ら
ラジオで習う料理法
む
向う見ずのコブだらけ
う
牛も鍋で煮られる
ゐ
威張ってみせる妻の前
の
望み高くて売れ残る
お
お供の方が美人です
く
国に帰れば国言葉
や
山のかげでも花は咲く
ま
まんじゅう一ツで仲直り
け
蹴ってから拾い物
ふ
富士山より高い鼻
こ
こんにゃくの裏表
え
閻魔様のお腹痛
て
テニスで鍛えた花嫁さん
あ
朝寝ごっこの日曜日
さ
盃煙草が嫌われる
き
綺麗な花に毒がある
ゆ
夢で当った三千円
め
(intentionally left blank)
み
三日目うれしい里帰り
し
白酒に酔うたお姫様
ゑ
遠慮が過ぎて食べそこね
ひ
暇さえあればコンパクト
も
もらって見たが一思案
せ
先生のかくし芸
す
すすきだんごで月を見る
京
京人形も土そだち