しん板なぞなぞ双六
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『しん板なぞなぞ双六』という双六です。 「いろは歌」の形になっています。 |
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* 双六の原画から、「い・ろ・は・に…」のそれぞれの絵を抜き出し48枚を一覧にしました。
* 漢字交じりの表記と、現代仮名遣いでの読み方を付加しました。また、「ちょっと解釈」として解釈や解説を付加しました。ただし、解釈・解説には推測の域を出ないものもあり、誤りもあるかも知れません。ご指摘をいただけましたら幸いです。
い
ふり始メ(振り始め)
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いんきよさまトかけてなんととく よそへ泊ッた朝とトく 心ハ よふじがない隠居様と掛けて何と解く。余所へ泊った朝と解く。心は、ようじがない。【ちょっと解釈】ご隠居さんは、余所に泊まっても「用事」がない。泊まった先にはご隠居さんが使う「楊枝」もない。「ようじ」は、「用事」と「楊枝」を掛けて。
*絵の中の子供が持っているのは「房楊枝」と呼ばれる、今で言う歯ブラシの役目をする楊枝。「じいさんの楊枝はないよー」と言っているのか。
*「いんきょ」の後の漢字に見える文字は、「さま」の合略字。
《参考》
浮世絵などに、「楊枝」を使って歯を掃除する姿や楊枝屋なども描かれている。
ろ
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ろふそくトかけて 質物(もつ)トとく 心ハ しまいにわながれる蝋燭と掛けて、質物と解く。心は、仕舞いには流れる。【ちょっと解釈】「蝋燭」は芯が燃え尽きると残った蝋が燭台の蝋受に流れ、「質物(しちもつ)」は受け戻しができないと仕舞いには流れてしまう。仕舞いに流れる物は、蝋と質物。【ちょっと知識】江戸時代に「蝋燭の流れ買い」という職業があった。「
守貞漫稿 」という文献の「生業 」という項目に見られる。
- 『蝋燭の流れ買ひ 桃灯・燭台等すべて燭の流れ余る蝋を買ひ集む。風呂敷を負い天秤を携ふ』
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(「守貞漫稿」は、天保8年・1837年から慶応3年・1867年
まで、
喜田川守貞 によって30年間にわたって書かれた江戸時代後期の風俗史。)
は
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ばかものトかけて まぐろのさしミとトく 心ハ 智へがない馬鹿者と掛けて、まぐろの刺身と解く。心は、智えがない。【ちょっと解釈】「智え」は文字通り「智恵」。まぐろの「血合い」を「ちえぇ」と発音して掛けるか。馬鹿者には「ちえ」がない。まぐろの刺身には血合いは使わない。だから「ちえぇ」がない。
に
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日本ばしトかけて しよぶ刀トとく 心ハ 人がきれない日本橋と掛けて、菖蒲刀と解く。心は、人が切れない。【ちょっと解釈】「菖蒲刀(しょうぶがたな・あやめがたな)」は、端午の節句に男の子が菖蒲の葉を刀に見立てたもの。これでは、人は切れない。日本橋もいつも賑わって人が途切れない。
ほ
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ほていさまトかけて 下屋しきのあとトとく 心ハ はらがおふきい布袋さまと掛けて、下屋敷の跡と解く。心は、はらが大きい。【ちょっと解釈】布袋様は「腹」が大きい。下屋敷があった跡は「原っぱ」で「原」が大きい。「はら」は、「腹」と「原」を掛けて。
へ
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へぼせうぎトかけて かみなりさまトとく なるとこわがるへぼ将棋と掛けて、雷さまと解く。なると怖がる。【ちょっと解釈】「なる」は、雷が「鳴る」と将棋の「成る」を掛けて。将棋の「成る」は、駒を裏返して強くなる(基本的には)こと。だから雷も将棋も「なる」と怖い。
と
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としの市トかけて しろうと角力トとく 心ハ まけたりかつたり歳の市と掛けて、素人相撲と解く。心は、まけたりかったり。【ちょっと解釈】素人相撲はいろんな人がいて「負けたり、勝ったり」。歳の市では正月用品を「売ったり、買ったり」、「値切ったり、値切られたり」。
ち
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ちいさなきものトかけて 三みせん引トとく 心ハ てんつるてんだ小さな着物と掛けて、三味線弾きと解く。心は、てんつるてんだ。【ちょっと解釈】「てんつるてん」は「つんつるてん」に同じ。また、三味線の音を表す。小さな着物も、三味線も「てんつるてん」。
り
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りんきぶかいトかけて かきもちトとく 心ハ みんなやくであろふ悋気深いと掛けて、かき餅と解く。心は、みんな焼くであろう。【ちょっと解釈】悋気(りんき)は、やきもちをやくこと。嫉妬(しっと)。「かき餅」も「やきもち」もみんな「焼く」。
*原画にある「かきもちとト」の「と」は、「衍字(えんじ)」か。
ぬ
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ぬかッた道トかけて こんだゆ屋トとく 心ハ げたおとられるぬかった道と掛けて、混んだ湯屋と解く。心は、下駄をとられる。【ちょっと解釈】「とられる」は、「取られる」と「盗られる」を掛けて。泥濘みでは、泥に下駄が取られ、混んだ銭湯では下駄を盗られ、もう散々だ。
る
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るろふの大石トかけて ばくちうちトとく 心ハ はらにさいが有流浪の大石と掛けて、博打打ちと解く。心は、腹にさいがある。【ちょっと解釈】「さい」は、「賽」と「才」を掛けるか。「賽」は博打打ちが使う「さいころ」。「才」は「能力、資質、才能」といった意味があるが、ここでは「考え」といった意か。博打打ちは腹巻きに賽を入れ、大石内蔵助は討ち入りの考えを腹に秘めている。
*原画にある「ばくちうちとト」の「と」は、「衍字(えんじ)」か。
を
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をかめのめんトかけて 屋ぐらのないしば居トとく 心ハ 花道がないおかめの面と掛けて、櫓(やぐら)のない芝居と解く。心は、花道がない。【ちょっと解釈】「花道」は、「鼻道」に掛けるか。鼻道は鼻筋のこと。おかめの面は鼻筋が通っていない、つまり「鼻道」がない。櫓のない芝居小屋には「花道」もない。
*「櫓を上げる」と言う言葉がある。「座を作って興行を始める」といった意味で、芝居に櫓はつきもの。それがない小屋には「花道」もないと揶揄している。
わ
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わたりのこふもりトかけて 角兵へじゝトとく 心ハ ほねがやわらかだ渡りのコウモリと掛けて、角兵衛獅子と解く。心は、骨が柔らかだ。【ちょっと解釈】狭い隙間にも入れる体が柔らかいコウモリと、逆立ちやとんぼ返りなどを披露する角兵衛獅子の体の柔らかさを掛けて。
か
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風のない日の凧トかけて 家ねやのはらくだしトとく 心ハ あがッたりおりたり風のない日の凧と掛けて、屋根屋の腹下しと解く。心は、上がったり下りたり。【ちょっと解釈】風のない日の凧は上がったり下がったり。お腹をこわした屋根屋は、屋根に上がったと思えば直ぐに下りてきて大忙し。
よ
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よるの湯屋トかけて 紅屋の水トとく 心ハ あかゞたくさんだ夜の湯屋と掛けて、紅屋の水と解く。心は、あかがたくさんだ。【ちょっと解釈】「あか」は、「赤」と「垢」を掛けて。紅屋の水は赤く、夜遅い銭湯は垢だらけ。
*絵に見える「泊」の字は、双六遊びでの1回休みのこと。この後も何カ所かに出て来る。
た
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たくあん大こんトかけて あんどんトとく 心ハ くれになるとつける沢庵大根と掛けて、行灯と解く。心は、くれになるとつける。【ちょっと解釈】「くれ」は「年の暮れ」と「日の暮れ」を掛け、「つける」は「漬ける」と「点ける」を掛けて。年の暮れには沢庵を漬け、日暮れには行灯を点ける。
れ
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れんぐわせきトかけて むずかしいせうぎトとく 心ハ よくつんだ/\煉瓦石と掛けて、難しい将棋と解く。心は、よくつんだつんだ。【ちょっと解釈】煉瓦石も難しい将棋もよくつんだものだ。「つんだ」は、煉瓦を「積む」と、将棋の「詰む」を掛けて。
*将棋での「詰む」は、王将が囲まれて逃げ場がなくなること。
そ
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そろばんトかけて 玉子とじトとく 心ハ わッたりかけたりだ算盤と掛けて、卵とじと解く。心は、割ったり掛けたりだ。【ちょっと解釈】算盤は「割ったり掛けたり」。卵とじの玉子も「割ったり掛けたり」。
つ
(intentionally left blank)
ね
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ねこのおわんトかけて 年よりのはでななりトとく 心ハ にやわん/\猫のお椀と掛けて、年寄の派手ななりと解く。心は、にやわんにやわん【ちょっと解釈】猫のお椀は「ニャーわん、ニャーわん」。年寄りの派手な格好は「似合わん、似合わん」。「にやわん」は、猫の鳴き声の「ニャー」と「椀」をつなげて「ニャーわん」。「似合わん」を掛けて。
な
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ないせうばなしトかけて 当せつの女のまげトとく 心ハ たかくわいはない内緒話と掛けて、当節の女の髷と解く。心は、高くはいわない。【ちょっと解釈】「いわない」は、「言わない」と「結わない」を掛けて。内緒話はひそひそと高い声(大きい声)では言わないで。
ら
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らい年十になる子トかけて そふじやがきたトとく 心ハ 九さいだらふ来年十(とう)になる子と掛けて、掃除屋が来たと解く。心は、九(く)さいだろう。【ちょっと解釈】「九(く)さい」は、「九歳」と「臭い」を掛けて。ここでの掃除屋は、天秤棒を担いでいることから「溝浚(どぶさらい)」か。
む
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むくはんの太夫トかけて さむい日のそばトとく 心ハ あつもりだ無官の太夫と掛けて、寒い日の蕎麦と解く。心は、あつもりだ。【ちょっと解釈】官職に就いていなかった平安時代末期の武将平敦盛(たいらのあつもり)は無官太夫と称された。「あつもり」は、「敦盛」と「熱盛り」を掛けて。寒い日は、熱い盛り蕎麦がなによりだ。
*平敦盛にちなんだ「敦盛蕎麦」は、熱湯に通して熱くした盛りそば。摂津国一の谷(兵庫県)の名物。
う
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うめのつぼミトかけて きう用の手紙トとく 心ハ ひらくおまつ梅のつぼみと掛けて、急用の手紙と解く。心は、開くを待つ【ちょっと解釈】「梅の蕾よ早く開け」と。「急ぎの手紙は早く開いて」と。
ゐ
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ゐそがしいだい所トかけて あねいもうとトとく 心ハ なにかにてゐる忙しい台所と掛けて、姉妹と解く。心は、何かにている。【ちょっと解釈】「にて」は、「煮て」と「似て」を掛けて。姉妹は「似ている」ものだ。台所では何かを「煮ている」。
の
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のんだくれトかけて おみこしトとく 心ハ よい/\わい/\飲んだくれと掛けて、お神輿と解く。心は、よいよい、わいわい。【ちょっと解釈】「よいよい」は、掛け声の「よいよい」と「酔い」を掛けるか。飲んだくれも御神輿も、威勢良く、それ「よいよい わいわい」。
お
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おのゝとふ風とかけて 吉原のひやかしトとく 心ハ かわづに柳をみてかへる小野道風と掛けて、吉原のひやかしと解く。心は、かわずに柳を見てかえる。【ちょっと解釈】小野道風の蛙と柳の逸話を踏まえたなぞなぞ。「かわず」は、「蛙(かわず)」と「買わず」を掛けて。「かえる」は、「蛙」と「帰る」を掛けて。「柳を見て帰る」は、衣紋坂入口の「見返り柳」を見ただけで帰るとの意か。
く
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くじつよい人トかけて 寒中の火ばちトとく 心ハ よくあたる籤(くじ)強い人と掛けて、寒中の火鉢と解く。心は、よく当たる。【ちょっと解釈】火鉢の炭は、火を起こそうとするとぱちぱちと弾け、顔によく当たる。籤に強い人はよく当たる。
や
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やすい時計トかけて ほどのよいやくそくトとく 心ハ あてになッてならない安い時計と掛けて、程の良い約束と解く。心は、あてになってならない。【ちょっと解釈】「程の良い約束」は、「いい加減な約束」「どうでもよい約束」といった意味合いか。「安い時計」も「いい加減な約束」も当てにならない。
ま
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まくの間トかけて 大工さんととく 心ハ 木がは入ルのおまつ幕の間と掛けて、大工さんと解く。心は、木が入るのを待つ。【ちょっと解釈】芝居の幕間(まくあい)は、木が入って次の芝居が始まる。「木が入る」は、芝居の始まりを告げる拍子木。大工さんも「木」が入荷してくるのを待っている。
け
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けちな稲荷さまトかけて なまけものトとく 心ハ とりゐがないけちな稲荷さまと掛けて、怠け者と解く。心は、とりいがない。【ちょっと解釈】「とりい」は、「鳥居」と「取り柄」を掛けて。けちなお稲荷さんには鳥居がなく、怠け者には取り柄がない。
ふ
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ふるぎやトかけて しろうとの狂げんトとく 心ハ つけがあわぬ古着屋と掛けて、素人の狂言と解く。心は、つけがあわぬ。【ちょっと解釈】「つけ」は、商売上の売り買いの「つけ」と、歌舞伎で役者の動作に合わせて拍子木様の二本の木(絵の左側に見える)で床に置いた板をたたく「つけ」を掛けるか。素人歌舞伎では役者とつけ打ちの息が合わぬから、なかなか「つけ」が合わない。古着屋では「つけ」にされたんじゃ割に合わないと言うことか。
こ
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こ供のさかやきトかけて じしんととく 心ハ ゐごいてあぶない子供の月代と掛けて、地震と解く。心は、動いてあぶない。【ちょっと解釈】子供は動いてじっとしていないので、月代(さかやき)を剃る剃刀を持つ手元が狂って危ない。地震は動いて危ない。
え
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えんどふ豆トかけて 海ちかいせん水トとく 心ハ しお入であらふえんどう豆と掛けて、海近い泉水と解く。心は、塩入であろう。【ちょっと解釈】えんどう豆は塩茹でがおいしい。海に近いわき水は塩辛い。どちらも塩が入っている。
て
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てじなトかけて がら/\せんべいトとく 心ハ たねがしれぬ手品と掛けて、がらがら煎餅と解く。心は、種が知れぬ。【ちょっと解釈】「がらがら煎餅」は、蛤形などの煎餅の中に大黒像など小さいおもちゃを入れ、振るとがらがらと音がするようにしたもの。「がらがら煎餅」は、中に何が入っているか分からないから「種」が分からない。手品も「種」が分からない。
*「がらがら煎餅」は江戸時代に流行したという。
あ
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あさねぼふトかけて おのふの初トとく 心ハ おきな/\朝寝坊と掛けて、お能の初めと解く。心は、おきなおきな【ちょっと解釈】能の始めは「翁(おきな)」。朝寝坊には、早く「起きな、起きな」。
さ
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さけの上がわるいトかけて おさつの大ごちそふトとく 心ハ あとがふう/\だ酒の上が悪いと掛けて、おさつの大ご馳走と解く。心は、あとがふうふうだ。【ちょっと解釈】「酒の上が悪い」は、酒で理性を失うさまなど。酒の上が悪い人は、酔いが覚めると「ふうふう」だ。薩摩芋のご馳走は、食べ過ぎて後で「ふうふう」だ。
き
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きり/”\すトかけて とふらくむす子トとく 心ハ きうりお切てやるきりぎりすと掛けて、道楽息子と解く。心は、きゅうりを切ってやる。【ちょっと解釈】「きゅうり」は、「胡瓜」と「旧里」を掛けて。「旧里」は、「ふるさと・郷里・故郷」などの意で、「旧里を切る」は親子関係を断絶すること。つまり勘当すること。きりぎりすには、えさの「胡瓜」を切ってやり、道楽息子には「旧里」を切って勘当だ。
*井原西鶴の『日本永代蔵』に、「旧里を切って子をひとり捨てにける」と見られる。
ゆ
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ゆきふりのこたつトかけて けんつきでッほふトとく 心ハ みんながあたる雪降りの炬燵と掛けて、剣付き鉄砲と解く。心は、みんながあたる。【ちょっと解釈】「あたる」は、「炬燵に当たる」と「鉄炮が当たる」を掛けて。雪降りの日は、みんな炬燵に当たる。銃剣はみんな当たる。
め
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めい人の浄瑠璃かけて 土佐のかつおぶしトとく 心ハ ふしがんまい名人の浄瑠璃と掛けて、土佐の鰹節と解く。心は、節がうまい。【ちょっと解釈】名人の浄瑠璃は「節回し」が上手だ。土佐の鰹は、何と言っても「鰹節」だ。浄瑠璃の「節」と鰹節の「節」を掛けて。
み
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みねのさくらかけて 天狗のめんとトく 心ハ 花がたかゐ峯の桜と掛けて、天狗の面と解く。心は、花がたかい。【ちょっと解釈】峯に咲く桜の花は高い所にある。天狗の鼻は高い。高い「はな」は、峯の桜と天狗の鼻。
し
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しがつの桜かけて 紙おをくれトとく 心ハ はばかりだ四月の桜と掛けて、紙をおくれと解く。心は、はばかりだ。【ちょっと解釈】「はばかり」は、「葉ばかり」と「憚り=便所」を掛けて。四月(旧暦の)の桜はすでに咲き終わり「葉ばかり」になっている。「憚り」へ行くので紙をちょうだい。
ゑ
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ゑびすのたいトかけて よい地面のかやトとく 心ハ もッてゐてつらない恵比寿の鯛と掛けて、よい地面の蚊帳と解く。心は、持っていてつらない。【ちょっと解釈】恵比寿さんは鯛を持っているが「釣らない」。蚊もいない良い土地に住んでいると蚊帳を持っていても「吊らない」。
ひ
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ひらけた地面トかけて 歳暮のしャけトとく 心ハ はらがないひらけた地面と掛けて、歳暮の鮭と解く。心は、はらがない。【ちょっと解釈】「ひらけた地面」は、人が大勢住むようになって繁栄した場所のことか。「歳暮の鮭」は「塩引き」か。人が大勢住む土地には「原っぱ」がなく、塩引きには「腸(はらわた)」がない。
も
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もゝ太郎トかけて おこわのあいてトとく 心はおにしめだ桃太郎と掛けて、おこわの相手と解く。心は、おにしめだ。【ちょっと解釈】桃太郎は「鬼をこらしめ」た。御強(おこわ)には「お煮しめ」がよく合う。「おこわ」は、「恐い」にも掛けるか?
せ
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せきとりトかけて 正札付のうりものトとく 心ハ なか/\まけない関取と掛けて、正札付の売物と解く。心は、なかなかまけない【ちょっと解釈】関取ともなるとなかなか勝負に負けない。正札が付いたものは、値切ってもなかなか値段を負けない。
す
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すご六おする子トかけて 花火のけんぶつトとく 心ハ あがるのおまつ双六をする子と掛けて、花火の見物と解く。心は、上がるのを待つ。【ちょっと解釈】双六も花火も「早く上がれ」、「早く上がれ」。
京
上がり
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京の名所トかけて 太(たん)物二たんトとく 五條であッた京の名所と掛けて、反物二反と解く。五条であった。【ちょっと解釈】京の名所は「五条の大橋」。反物二反はおよそ五丈の長さ。「五条」と「五丈」を掛けて。
*「太物(ふともの)」は、一反仕ての織物。反物