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金殿玉楼
きんでんぎょくろう
作家
作品

幸田露伴

【運命】

三歳の間は草鞋そうあい竹笠ちくりゅうき雲水の身を過したまえりという。帝は太祖の皇孫と生れさせたまいて、金殿玉楼に人となりたまいたれども、 如是因にょぜいん如是縁にょぜえん、今また袈裟けさ念珠ねんじゅの人たらんとす。不思議というもあまりあり。程済すなわち御意に従いて祝髪しゅくはつしまいらす。万乗の君主金冠をおとし、剃刀ていとうの冷光翠髪すいはつぐ。悲痛何ぞえんや。

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永井荷風

【矢はずぐさ】

深刻の情致じょうちは何事によらずかへつて富者の知らざる処なり。わが衣食住とわが生涯を以てきたる詩活きたる芸術の作品となすに何のついえをか要せん。裏路地うらろじ佗住居わびずまいみずかやすんずる処あらばまた全く画興詩情なしといふべからず、金殿玉楼も心なくんば春花秋月なほ 瓦礫がれきひとしかるべし。

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小川未明

【童話を書く時の心】

 良家に生れて、不足なく育った子供等は、自分の欲望を満足するには、もっと美しい金殿玉楼に住んだとか、栄達をしたとかいう話をきいて、夢想することによって喜びを感ずるにちがいない。それは、事実そうあるべき筈だからです。その心持を察してそういう贅沢な生活を送るような子供を主人公として童話を書いたとしたら、お嬢さんや坊ちゃん方は喜ぶかも知れない。或は、貧しい家に生れて、常に不足勝ちに育った子供等の中でも、こうした種類の童話を喜ぶものがあるかもしれない。けれど、私は、そうした金殿玉楼に住んで、人生の欲望に満足し、また自分の善いことをした行為が酬いられて栄達を遂げたような童話を書こうとは思わないのであります。

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太宰治

【喝采】
シンデレラ姫の物語を考えついた人は、よっぽど、お話にもなにもならないほど、不仕合せな人なのだ。マッチ売の娘の物語を考えついた人もまた、煙草のみたいが叶わず、マッチ点火しては、 ほのおをみつめ、ほそぼそ青い焔の尾をひいて消える、また点火、涙でぼやけてマッチの火、あるいは金殿玉楼くらいに見えたかも知れない。

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北村透谷

【我牢獄】

我は今この獄室にありて、想ひを現在に寄すること能はず、もし之を為すことあらば我は絶望の淵に臨める嬰児なり、然れども我は先きに在りし世を記憶するが故に希望あり、第一期といふ名称は面白からず、是を故郷と呼ばまし、然り故郷なり、我が想思の注ぐところ、我が希望の湧くところ、我が最後をかくるところ、この故郷こそ我に対して、我が今日の牢獄を厭はしむる者なれ、もしわれに故郷なかりせば、もしわれにこの想望なかりせば、我は此獄室をもて金殿玉楼と思ひ しつゝ、たのし娑婆しやば世界と歓呼しつゝ、五十年の生涯、誠に安逸に過ぐるなるべし。

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夢野久作

【白くれない】

 もとより、われは一握り程の碌米ろくまいの為に、忠勤を抽出ぬきんでんとて武芸、学問を出精せるに非ず。半面鬼相にもあれ、何にもあれ。美しき女を数多あまた侍らせ、金殿玉楼に栄燿の夢を見つくさむ事、 ひとへにわが学問と武芸にこそよれ。容貌おもて、醜しとあれば疎み遠ざかり、あざみ笑ひ、少しの手柄あれば俄かにいつくしみ、へつらひ寄る、人情紙の如き世中よのなかに何の忠義、何の孝行かある。

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坂口安吾

【水鳥亭】

あなた、ひがんではいけませんよ。たとえば、単に別荘だけでしたら、金殿玉楼も買い手がないのは当然かも知れません。いま敵に追いつめられ、窮亡のドン底にある我々に、最大の財産はなんですか。言うまでもなく、自給自足しうる土地ですよ。田畑ですよ。

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長谷川時雨

【樋口一葉】

 私はもうこの辺で、その人のためには、茅屋ぼうおく金殿玉楼と思いなして いおとずれた、その当時はまだ若盛りであった、明治文壇の諸先輩の名をつらねることも、忘れてならない一事だろうと、ほんの、当時の往来だけでもあっさり書いておこうと思う。

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Last updated : 2022/11/23