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金科玉条
きんかぎょくじょう
作家
作品

菊池寛

【真珠夫人】

 彼は『一緒にお茶を飲まう。』と云ふことが、たゞ一寸した、夫人のお世辞であつたのではないかと思つた。それを金科玉条のやうに、一生懸命に守つて、待ちつゞけてゐた自分が、少し馬鹿らしくなつた。

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与謝野晶子

【鏡心灯語 抄】

 既に貞操が婦人の生活の中枢生命であるとせられた時代は過ぎた。そして如何に質朴な民衆の上に神権主義の道徳が圧力を持っていた時代でも、実際に全婦人をその貞操倫理の金科玉条司配しはいすることは出来なかった。二夫にまみえた女は地上到る処の帝王の家にもあった。女の再婚は大抵やむをえない事として現に寛仮かんかせられ、もしくは正当の事としてその父兄が強いるほどである。

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太宰治

【創生記】

 われとわが作品へ、一言の説明、半句の弁解、作家にとっては致命の恥辱、文いたらず、人いたらぬこと、深く責めて、他意なし、人をうらまず独り、われ、厳酷の精進、これわが作家行動十年来の金科玉条、苦しみの底に在りし一夜も、ひそかにわれを慰め、しずかに微笑ませたこと再三ならずございました。

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伊丹万作

【映画界手近の問題】

 なぜならば、私には映画産業の最も健康な発展形式は自由競争をほかにしては考えられないからである。  そしてこの一条は私にとって金科玉条であり、いやしくも映画産業に関する私の考え方はことごとく右の定理の上に築かれ発展しているものと認めてもらって何らさしつかえはない。

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夢野久作

【探偵小説の真使命】

 こうした趣味、傾向に人類を導くために、曾ての探偵小説は従来の芸術が金科玉条として死守して来た美学上の諸条件を ことごとく放棄し、一蹴した。その代りに芸術と自称するのも恥かしい浅劣、低級な謎々の魅力を以て大衆の注意を惹付ひきつ けた。そうして古来、人類が作って来た各種の文化の中でも、最も醜悪低劣なこの科学文明の内容を人々が反省し初めるに連れて、グングンと進化し分化し初めた。あらゆる変格的な新様式を繁殖さして、大衆の心理の隅々にまで喰込んで行った。

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岡本かの子

【雛妓】

 その中には年々巨万の地代を挙げながら、代々の慣習によって中学卒業程度で家督をまもらせられている壮年者もある。
 横浜開港時代に土地開発に力を尽し、儒学と俳諧にも深い造詣ぞうけいを持ちながら一向世に知られず、その子としてただ老獪ろうかいの一手だけを処世の金科玉条として資産を増殖さしている 老爺ろうやもある。

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正岡容

【小説 圓朝】

拙いな、ア、拙いな、また拙いなと眉をしかめて聴いていながら、その拙いところをよくようく心に銘記し、決して自分はその欠点に陥るまいと心がけることだった。
 こういう聴き方をしてゆく以上、まさに小圓太の勉強法は天下無敵、八方睨みだった。
 巧い人きたらばその長所を、吸血鬼のごとく吸い取ってしまう。
 然りしこうして拙劣この上なき奴きたらば、これは己が拙劣に陥らないための金科玉条にと身を入れて聴く。
 これではどっちへどう廻ってもドジの踏みようがなかった。

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風巻景次郎

【中世の文学伝統】

比叡に学び、後諸国 行脚あんぎゃもしたが、大体は為世の門に学んだ都住みの歌僧で、為世の薨じた暦応りゃくおう元年(延元四年)は五十歳であるが、師の亡き後は京都歌壇の元老であった。その後二十年ばかりの中に家集をまとめ、尊氏のあとを継いだ二代将軍義詮よしあきらのもとめで差し出した。それが『草庵集そうあんしゅう』である。これは二条派からは金科玉条とされ、ことに、西行の『山家集』とともに隠者文学の粋としてもてはやされたもので、江戸時代になってもながく尊まれ、

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林不忘

【つづれ烏羽玉】

 いうまでもない。江戸中の大悪党の寄合い所といって、手枕舎里好がお蔦を連れ込んだ、あの妖異きわまる姿見の井戸である。
 去る者は追わず、来る者は拒まず――これが姿見井戸の金科玉条であった。士農工商のいずれを問わず、また、いかなる罪を犯したものであろうとも、あるいは事実は綺麗なからだであろうとも、何でもいい、誰でもいい、はいって来る者にはいっさいの休安と保護とを与えて、出て行くまでとめておくのが、この、浮世とは 関係かかわりのない地下の娑婆しゃばであった。

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Last updated : 2022/11/23