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既成概念
きせいがいねん
作家
作品

石川啄木

【歌のいろ/\】

評者は何故この鋭い實感を承認することが出來なかつたであらうか。さう考へた時、私は前に言つた「こん畜生」の場合を思ひ合せぬ譯に行かなかつた。評者は屹度歌といふものに就いて或狹い 既成概念きせいがいねんを有つてる人に違ひない。自ら新しい歌の鑑賞家を以て任じてゐ乍ら、何時となく歌は斯ういふもの、斯くあるべきものといふ保守的な概念を形成かたづく つてさうしてそれに捉はれてゐる人に違ひない。

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折口信夫

【茂吉への返事】

同人の末に連つてゐる行きがゝり上、從順な會員に、濁りを帶びた歌を見せて、趨舍に當惑させるのは、或は單純に考へれば、罪惡ともいふべきものでせう。又既成概念を以て、アララギ派の歌風を見てゐる世間に對して、風變りな歌を見せるといふことは、アララギの歴史上、かなり迷惑なことであるのは、わたしも考へないではありません。唯前にいうた、生長の途中に在るわたしとしては、甚利己的にとられ相な言ひ分ですが、會員を上 にする前に、先わたしから上衆にならねばならぬ、と思ひます。或は先達諸家の迷惑に思はれることかも知れませんが、アララギ派の既成概念に反した態度になるのも、止むを得ぬことだと思ひます。

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三木清

【唯物史観と現代の意識】

イデオロギーの人目を惹くに足る變化も、若しそれがこのやうな基礎を缺いてゐるならば、眞實でなく、現實的でもなく、却てただ既成概念の整理であり、折衷であり、修正と補足であるに過ぎない。苟も根本的なる、徹底的なる、生命あるイデオロギーの變革に際しては、ひとはその背後に、たとひそれが顯はでないにせよ、必ずアントロポロギーの本質的なる變革を見逃すことが出來ぬであらう。

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太宰治

【八十八夜】
四、五年まえまでの笠井さんは、決してこんな人ではなかったのである。すべての自然の風景を、理智に って遮断し、取捨し、いささかも、それにおぼれることなく、謂わば「既成概念的」な情緒を、 薔薇ばらを、すみれを、虫の声を、風を、にやりと薄笑いして敬遠し、もっぱら、「我は人なり、人間の事とし聞けば、善きも悪しきも他所事よそごととは思われず、そぞろに我が心を躍らしむ。」とばかりに、人の心の奥底を、ただそれだけを相手に、鈍刀ながらも獅子奮迅ししふんじんした、とかいう話であるが、いまは、まるで、だめである。呆然ぼうぜんとしている。

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寺田寅彦

【ニュース映画と新聞記事】

 映画の場合においてもカメラを向け動かすものは人間であるから、そこに選択の自由があり従って人為的な公式定型の参加する余地は充分にある。しかしレンズとフィルムは物質であってなんらの既成概念もなければ抽象能力もない、一見ばか正直のようであって、しかも広大無辺の正確なる認識能力を所有しているのである。試みにたったひとこまの皮膜に写った形像を精細に言葉で記載しようとしてもおそらく千万言を費やしてもなおすべてを尽くすことは不可能であろう。写真影像は現象の記載ではなくて、現象そのものだからである。

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Last updated : 2022/11/23