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起死回生
きしかいせい
作家
作品

芥川龍之介

【煙草と悪魔】

 所が、日本へ来て見ると、西洋にゐた時に、マルコ・ポオロの旅行記で読んだのとは、大分、容子がちがふ。第一、あの旅行記によると、国中至る処、黄金がみちみちてゐるやうであるが、どこを見廻しても、そんな景色はない。これなら、ちよいとくるすを爪でこすつて、きんにすれば、それでも可成かなり、誘惑が出来さうである。それから、日本人は、真珠か何かの力で、起死回生の法を、心得てゐるさうであるが、それもマルコ・ポオロの嘘らしい。嘘なら、方々の井戸へ唾を吐いて、悪い病さへ 流行はやらせれば、大抵の人間は、苦しまぎれに当来の波羅葦僧はらいそなぞは、忘れてしまふ。――フランシス上人の後へついて、殊勝らしく、そこいらを見物して歩きながら、悪魔は、ひそかにこんな事を考へて、独り会心の微笑をもらしてゐた。

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小酒井不木

【人工心臓】

A博士はかつて、人工心臓即ち人工的に心臓を作って、本来の心臓にかわらしめ、もって、人類を各種の疾病しっぺいから救い、長生ちょうせい延命をはかり、更に進んでは起死回生の実を挙げようと苦心 惨憺さんたんした人であって、その結果一時、健康を害して重患に悩んだにもかかわらず、たゆまず屈せず、ついに一旦その目的を達したのであるが、夫人の死後、如何いかなる故か、折角の大研究を弊履へいりの如く捨てて顧みなくなった。

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寺田寅彦

【映画と生理】

若い人にはとにかくとしても、もはや人生の下り坂を歩いているような老人にとっては、映画の観覧による情緒の活動が適当な刺激となり、それが生理的に反応して内分泌ホルモンの分泌のバランスに若干の影響を及ぼし、場合によってはいわゆる起死回生の薬と類似した効果を生ずることも可能ではないかという、はなはだ突飛な空想も起こし得られる。

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高村光太郎

【美の日本的源泉】

 そもそも日本美の顕揚という事は決して日本の特殊美を以てのみ世界に臨もうとするのではないという事を十分注意すべきである。通俗的な意味で考えられる所謂日本的美という特殊性のみを追ってゆけば結局非常にせまい、限られた特質ばかりが残ってしまって、それらの性質のみを以て日本美を守るような消極的な気持に落ち込めば今後世界の美の諸源泉に立ち向う場合、ついに堂々たる態勢のものとなり得ない事となるのである。あれも日本的でない、これもいけないと排他的に考えるよりも、一切の善きもの、世界の美のあらゆる範疇はんちゅうを日本美に抱摂すべきであろう。つまり美のあらゆる範疇を日本美の健康性と清浄性とによって起死回生せしめねばならないのである。当今世界の近代美は 爛熟らんじゅく廃頽はいたいと自暴自棄とに落ち込んでいる。この一切をもう一度新鮮な黎明れいめいの美にかえさしめるのがわれわれ日本民族の仕事である。

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坂口安吾

【現代忍術伝】

 天草商事も急変する世の移り変りには勝てず、商運まったく行きつまり、借金で首がまわらない。なんとか起死回生の手を打たなければならないところへ追いこまれている。

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小栗虫太郎

【「太平洋漏水孔」漂流記】

 しかし、渦は依然としておなじ方向へ巻いている。空気は、湿潤高熱、湯気のようである。けれど二人は、この熱気のために気が可怪おかしくなったのではないのだ。
 キューネが、この湿熱環に堪えるため、窮通の策をほどこした。それが、もしも成功すれば起死回生を得る。
「うまく往ってくれ。ただハチロウのため、俺はそう祈る」

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夢野久作

【鼻の表現】

「あなたの御蔭で私は起死回生の思いを致しました。 御鴻恩ごこうおんは死んでも忘却致しませぬ」

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国枝史郎

【神州纐纈城】

わしは早速試みて見た。長江美作みまさかが気の毒にも、らいを病んで命旦夕たんせき、そこで一粒を投じてやった。ところがどうだ。ところがどうだ!」
起死回生でござったかな?」
「うんそうだ、ことごとく全快」

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吉川英治

【私本太平記 黒白帖】

 しかもなお皮肉なのは、その原因が、勝者のがわから瀕死の敵へ、起死回生のよろこびと絶好なすきとを与えていたことにある。――すなわち、足利方の 内訌ないこうがそれで、直義と師直との軋轢あつれきは、両者の凱旋を機としていよいよ激化し出して来たかの様相がこの春は一ばいかった。

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Last updated : 2022/11/23