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奇想天外
きそうてんがい
作家
作品

正岡子規

【萬葉集卷十六】

 これは大みわの朝臣といふ人が餓鬼の如く痩せたるを嘲りて戲れたる者にて、女の餓鬼が大みわの朝臣を夫に持ちて子を産みたいといふ。といへる、奇想天外なり。普通ならば「夫に持ちたい」といふばかりにて結ぶべきを更に一歩を進めて「其子うまさむ」といふ處作者の伎倆を見るに足る。ついでにいふ、前の歌の「 雙六すごろく」此歌の「餓鬼」皆漢語なり。

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太宰治

【天狗】

去来、それにつづけて、
    ただどひやうしに長き脇指
 見事なものだ。滅茶苦茶だ。去来は、しすましたり、と内心ひとり、ほくほくだろうが、他の人は驚いたろう。まさに奇想天外、暗闇から牛である。 仕末しまつに困る。芭蕉も凡兆も、あとをつづけるのが、もう、いやになったろう。それとも知らず、去来ひとりは得意である。

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織田作之助

【聴雨】

 彼の棋風は、「坂田将棋」といふ名称を生んだくらゐの個性の強い、横紙破りのものであつた。それを、ひとびとはつひに見ることが出来なくなつた。かつて大崎八段と対局した時、いきなり角頭の歩を突くといふ奇想天外の手を指したことがある。果し合ひの最中に 草鞋わらぢの紐を結ぶやうな手である。負けるを承知にしても、なんと不逞々々ふてぶてしい男かとあきれるくらゐの、大胆不敵な乱暴さであつた。

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豊島与志雄

【愉快な話】

 これは一寸愉快な話だ。猫の肉だけで鼠が育つものかどうか、そんなことはここでは問題にならない。貧乏人は、奇想天外な金儲の話には、理屈を超越するものだ。

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岸田國士

【近況】

 テキストは神西清君の新訳によるが、これが今、出来ただけ私の手許に届けられ、二十一日の本読みまでに間に合う手はずがついている、と、私は信じながら、それぞれの人物にふさわしい名ぜりふを、すべての俳優が奇想天外な調子でしゃべりまくってくれるように祈っている。

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正岡容

【随筆 寄席囃子】

志ん生の飄々として「テニヲハ」の合わぬ話し振りの中に奇想天外な警句と愉快な諧謔の連続にいつしか聴き手を不可思議な八ッあん熊さんの世界に引き込んでゆく 可笑おかしさ、とめどもないような中に本格の修業を失わないところ、彼独特な「マクラ」の奇抜な面白さ、また現在の彼の地位も不当ではない。

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宮本百合子

【若人の要求】

 この頃、何と婦人雑誌が出るでしょう。そしてまた、大部分のものが、何とアメリカシャボンの包紙の反古ほごみたいなものでしょう。どこにもない様に顔の小さい、足の長い美人たちが、それが商売である図案家によって、奇想天外に考え出されたモードのおしゃれをして、たったり坐ったり寝そべったりしています。

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萩原朔太郎

【郷愁の詩人 与謝蕪村】

 老の近づくことは悲しみである。だが老年にはまた、老年の幽玄な心境がある。老いて宇宙の神韻と化し、縹渺ひょうびょうの詩境に遊ぶこともまた楽しみである。空には白い雲がうかび、鳥は高く飛んでるけれども、時間は流れて人を待たず、自分は次第に老いるばかりになってしまったという咏嘆えいたんである。「何で年よる」という言葉のひびきに、如何いかにも力なく投げ出してしまったような嘆息があり、老を悲しむ情が切々と迫っている。それを受けて「雲に鳥」は、前のフレーズと聯絡れんらくがなく、唐突にして奇想天外の着想であるが、そのため気分が一転して、詩情が実感的 陰鬱いんうつでなく、よく詩美の幽玄なハーモニイを構成している。

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坂口安吾

【デカダン文学論】

だが習性の中にも在る筈の肉体などは一顧も与へられてをらず、何よりも、本来の人間の自由な本姿が不問に附されてゐるのである。人間本来の欲求などは始めから彼の文学の問題ではなかつた。彼の作中人物は学生時代のつまらぬことに自責して、二三十年後になつて自殺する。奇想天外なことをやる。そのくせ彼の大概の小説の人物は家庭的習性といふものにギリ/\のところまで追ひつめられてゐるけれども、離婚しようといふ実質的な生活の生長について考へを起した者すらないのである。

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竹久夢二

【誰が・何時・何処で・何をした】

 それはこうです。その年が暮れて、あくる年のお正月のことでした。Aの家ではある晩のこと、親類や知人の家の子供達を集めて、一晩カルタやトランプなどをして遊んだことがありました。そのあとで“who, when, where, what”という遊びをしたのです。「誰がいつどこで何をした」と読みあげるのです。詳しく言えば、まず紙片かみきれを四枚ずつみんなに渡します。第一の紙片には、自分の名前を書きます。第二の紙片には、昨日とか、子供の時にとか、時を書きます。それから第三の紙片へは場所です。これも想像してなるべく奇想天外な場所を選んで書きいれるのです。そして最後の紙へ何をしたと書いて、それを誰にも見られないように、 あらかじめておいた第一の紙片を持つ人に名前の紙を、第二の紙を第二の人に、順々に渡して、みんなそろった所で、第一から第二、第三と、連絡をとって読みあげるのです。

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Last updated : 2022/11/23