『近世流行商人狂哥絵図』に見る |
『榛田稲荷代垢離願人 』
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・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
かさいかなまち
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
《近世流行商人狂哥絵図》
榛田稲荷代垢離願人
かさいかなまち
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
葛西 金町
半田 の稲荷
疱瘡 も軽い
麻疹 も軽い
大きな御利生
素敵な御利生
家内安全
息災延命
《近世流行商人狂哥絵図》
榛田稲荷代垢離願人
はんだいなりだいごりがんにん
大きな
素敵な
家内安全
息災延命
- 「榛田稲荷」は、現在の東京都葛飾区東金町にある「半田稲荷神社」と思われる。全身赤ずくめの
願人坊主 が、幟を片手に「葛西金町半田の稲荷、疱瘡も軽い、麻疹も軽い」と全国を謡い踊り歩き、歌舞伎舞踊にもなったとされる。 - 江戸時代の文献「守貞謾稿」には、
半田行人 の項目に「その扮、京坂の金比羅行人と同じくして、白を紅に換ふるのみ。諸服必ず紅綿。手に紅綿の幟 に半田稲荷大明神と筆せるを携へ、右手に鈴 を振り、痘瘡麻疹の軽を祈るに矯 て、専ら諧謔踊躍す」(巻之七)とある。
《参考 》歌川国貞『十二月之内 坂東三津五郎所作事』に描かれた「半田稲荷」
《参考 》野村文紹著『世の中のくさぐさ記』に描かれた「半田稲荷」
《参考 》岡本昆石 (経朝) 編『古今百風吾妻余波』に描かれた「半田稲荷」と「願人坊主」
『榛田稲荷代垢離願人』(曲亭馬琴・近世流行商人狂哥絵図)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
かさいかなまち
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
大きな
素敵な
家内安全
息災延命
「
「二十三番狂歌合」「流行商人絵詞二十三番狂歌合」「近世商人狂歌合」などとも呼ばれます。
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