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悪事千里
あくじせんり
- 悪い行いや悪い評判はどんなに隠しても直ぐに世間に知れ渡ってしまうものだということ。
- 悪事千里を走る又は悪事千里を行くの略語。千里は遠い彼方、ということから広い世間の意。
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作家
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作品
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太宰治 |
【懶惰の歌留多】
別段、深遠のことがらを考えているわけではない。なまけ者の空想ほど、ばかばかしく途方もないものはない。悪事千里、というが、なまけ者の空想もまた、ちょろちょろ
止めどなく流れ、走る。何を考えているのか。この男は、いま、旅行に就いて考えている。
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太宰治 |
【新釈諸国噺】
「ふざけるな!」と浪人は大声を挙げて、「百両千両のかねではない。たかが銀一粒だ。これほどの家で、手許に銀一粒の替が無いなど冗談を言ってはいけない。おや、その顔つきは、どうした。無いのか。本当に無いのか。何も無いのか。」と近隣に響きわたるほどの高声でわめけば、店の表に待っている借金取りは、はてな? といぶかり、両隣りの左官屋、炭屋も、耳をすまし、悪事千里、たちまち人々の囁きは四方にひろがり、人の運不運は知れぬもの、除夜の鐘を聞きながら身代あらわれ、せっかくの三年の苦心も水の
泡、さすがの智者も矢弾つづかず、わずか銀一粒で大長者の万屋ぐゎらりと破産。
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中里介山 |
【大菩薩峠 駒井能登守の巻】
「ああ、その雲霧仁左衛門という悪漢、それはこの上野原から出た奴にございます、この上野原のしかるべき家に生れた悪漢でございました」
「足が迅いと高飛びが自由にできる、それで今日ここで悪事をしても、明日は他国へ行って知らぬ面している、悪事千里を走るとはこのことじゃ」
「足が迅いから自然、手が長くなるのでございましょう。冗談はさて置き、あの怪しい奴、取逃がしたは残念、直ちに手配を致して取押えさせましょう」
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三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂 |
【後の業平文治】 蟠龍軒、お瀧の両人は目算がらりと外れ、這々の体で其の儘逃帰りました。悪事千里とは好う申したもの、何時しか此の事がお上の耳に伝わりまして、お瀧は忽ち召捕となり、続いて遠島を申付けられました次第でございますが、
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Last updated : 2024/06/28