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栄耀栄華
えいようえいが |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【地獄変】
中にはまた、そこを色々とあげつらって大殿様の御性行を始皇帝(しこうてい)や煬帝(ようだい)に比べるものもございますが、それは諺(ことわざ)に云う群盲(ぐんもう)の象を撫(な)でるようなものでもございましょうか。あの方の御思召(おおぼしめし)は、決してそのように御自分ばかり、栄耀栄華をなさろうと申すのではございません。
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芥川龍之介 |
【仙人】
「別にこれと云う訣(わけ)もございませんが、ただあの大阪の御城を見たら、太閤様(たいこうさま)のように偉い人でも、いつか一度は死んでしまう。して見れば人間と云うものは、いくら栄耀栄華(えようえいが)をしても、果(はか)ないものだと思ったのです。」
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有島武郎 |
【クララの出家】
一つはアッシジの市民が、僧侶をさえこめて、上から下まで生活している世界だ。一つは市民らが信仰しているにせよ、いぬにせよ、敬意を捧げている基督(キリスト)及び諸聖徒の世界だ。クララは第一の世界に生い立って栄耀栄華(えいようえいが)を極むべき身分にあった。
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坂口安吾 |
【明治開化 安吾捕物 その八 時計館の秘密】
宮吉が彼女らに与えた最後の言葉は、ナニ、お前の聟は東京名題の大金持じゃアないか。塩竈のチッポケな財産なんぞが消えてなくなったってタダみたいのものよ。東京へ行って栄耀栄華に暮すが最上の分別さ、ということであった。
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原民喜 |
【壊滅の序曲】
……妹はこの数年間の嫂の変貌振りを、――それは戦争のためあらゆる困苦を強いられて来た自分と比較して、――戦争によって栄耀栄華をほしいままにして来たものの姿として、そしてこの訳のわからない今度の失踪も、更年期の生理的現象だろうかと、何かもの恐ろしげに語るのであった。
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夢野久作 |
【名娼満月】
……これまでの方々(かたがた)様の御心づくし、何と御礼を申上げましょうやら。つたないこの身に余り過ぎました栄耀栄華(えいようえいが)。空恐ろしゅうて行く先が思い遣られまする計(ばか)りで御座います。
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国枝史郎 |
【仇討姉妹笠】
「どうせ汝(おのれ)は死んで行く奴、秘密を教えても大事あるまい、そこで秘密を教えてやる。……浪速の豪商淀屋辰五郎、百万にも余る巨富を積み、栄耀栄華を極めたが、元禄年間官(かみ)のお咎めを受け、家財一切を没収されたこと、汝といえども伝え聞いていよう。
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木下尚江 |
【火の柱】
――実直に働いてるものは家もなく食物もなく、監獄へ往ったり、餓死したり、鉄道往生したりして、利己主義の悪人が其の血を吸(すっ)て、栄耀栄華(えいようえいが)をするとは何事です――
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三遊亭圓朝 |
【真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)】
始終憎い奴と眼を付けて居るが、そういう処へ其の方が縁付(かたづ)くとは如何(いか)にも残念、其の方もそういう処へは拙者が遣らぬ、決して行くな、是から一緒に逃去って、永(なげ)え浮世に短(みじ)けえ命、己と一緒に賊を働き、栄耀栄華(えようえいが)の仕放題(しほうだい)を致すがよい、心を広く持って盗賊になれ」
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中里介山 |
【大菩薩峠 新月の巻】
すべての世界も、人情も、みんな一変してしまいましたが、ただ一つ変らぬものとして、ごらん下さいませ、この井堰(いぜき)の水の色を……」と言って、美人は後ろを顧みて漫々たる池水を指し、 「わたくしたちのあらゆる栄耀栄華(えいようえいが)のうちに、ただ一つ、これだけが残りました」 |
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