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莫逆之友/莫逆の友
ばくげきのとも
作家
作品

菊池寛

【真珠夫人】

 父も、それに釣り込まれたやうに、
「さうだ! 本多さへ早く帰つてをれば、うにかなるのだがな。八月には帰ると云ふのだから、此の一月か二月さへ、何うにか切り抜ければ――」
  父は、娘に対する虚勢も捨てたやうに、首をうな垂れた。さうだ、父の莫逆の友たる本多男爵さへ日本にをればと、瑠璃子も考へた。が、その人は、宮内省の調度頭をしてゐる男爵は、内親王の御降嫁の御調度買入れのために、欧洲へ行つてゐて、此の八月下旬でなければ、日本へは帰らないのだつた。

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夢野久作

【「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能】

 といううちに、その武士は、かたわらの湖に槍の穂先を浸して、ザブザブと洗い始めた。その武者振りの見事さに、相手は感に堪えて見惚れさせられた。かくて互いに槍を合わせること十数合に及んだが、そのうちにとうとう真暗になってしまったので一方が槍を引いた。
「待たれよ。もはや、槍の穂先も見えぬげに御座れば、残念ながらこれにてお別れ申そう」
「いや、某もさように存じておったところ……」
「さらば」
「さらば」
  というのでドロンゲームになったが、後にこの二人は某侯の御前で出会して、本名を名乗り合って莫逆の友となった……というような話が「常山紀談」に載っている。

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スティーヴンスン
佐々木直次郎訳

【ジーキル博士とハイド氏の怪事件】

    注

一九頁 デーモンとピシアス 二人とも古代ギリシアの人で、その友情の厚いので有名であったので、「デーモンとピシアス」という語は、漢語における管鮑の交、刎頸の友、莫逆の友即ち親友を意味すること、「ジーキルとハイド」が二重性格を意味するようなものである。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28