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破戒無慙/破戒無慚
はかいむざん
作家
作品

小酒井不木

【死体蝋燭】

 和尚はその眼をぎろりと輝かして一段声を高めた。
「実はなあ、お前はわしを徳の高い坊主だと思っているかもしれんが、わしは阿弥陀様の前では、じっとして坐っておれぬくらいの、破戒無慚はかいむざんの、犬畜生いぬちくしょうにも劣る悪人だよ」

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種田山頭火

【其中日記 (八)】

久しぶりに、ほんとうに久しぶりに畑仕事、土を耕やし、草をぬき捨て、大小便をかけて、いつでも胡瓜や茄子やトマトや大根や、植えられるようにして置く。
酒はあるけれど飲まなかった、飲みたいのを飲まないのではない、飲みたくないから飲まなかったのである、私は昨日までしば/\飲みたくない酒を飲んだ、酔いたいために飲んだのである、むろんにがい酒だった、身も心もみだれる酒だった。……
過去一年間の悪行乱行が絵巻物のように、フイルムのとうに展開する、――それは破戒無慚な日夜だった。……
私は何故死なゝかったか、昨春、飯田で死んでしまったら、とさえ度々考えた。……

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種田山頭火

【旅日記】

 七月九日

とぼ/\と永平寺へ戻って来た。
少しばかりの志納をあげて、南無承陽大師、破戒無慚の私は下山した。
夜行で大阪へ向う。

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三遊亭圓朝 鈴木行三校訂・編纂

【菊模様皿山奇談】

此のを知らずして破戒 無慚むざん邪見じゃけん放逸ほういつの者を人中じんちゅうの鬼畜といって、鬼の畜生という事じゃ、それ故に大梅和尚たいばいおしょう馬祖大師ばそだいしに問うて如何いかなるかれ仏、馬祖答えて即心即仏という、大梅が其の 言下ごんか大悟だいごしたという、其の時に悟ったじゃ、此の世は実に仮のものじゃ、只四縁しえんの和合しておるのだ、

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三上於菟吉

【雪之丞変化】

 その鉄心庵の現住――ときどき生ぐさ物の匂いがぷんぷんとかおって、貧乏徳利びんぼうどっくりがいつも台どころにころがっているだけで、きょうを読む声さえ、通りがかりの誰もが聴いたことがないというのだから、いずれ、 破戒無慚はかいむざんの悪僧とはわかっていたが、さりとて、それをとがめるものもないのだから、寺法格式が厳重だとはいっても、ゆるやかな時代には相違なかった。

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種田山頭火

【旅日記】

 七月九日

とぼ/\と永平寺へ戻つて来た。
少しばかりの志納をあげて、南無承陽大師、破戒無慚の私は下山した。
夜行で大阪へ向ふ。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28