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反間苦肉
はんかんくにく
作家
作品

泉鏡花

【婦系図】

 不義、毒殺、たとえば父子、夫妻、最親至愛の間においても、その実否(じっぷ)を正すべく、これを口にすべからざる底(てい)の条件をもって、咄嗟(とっさ)に雷(らい)発して、河野家の家庭を襲ったのである。私は掏賊(すり)だ、はじめから敵に対しては、機謀権略、反間苦肉、有(あら)ゆる辣手段(らつしゅだん)を弄して差支えないと信じた。

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中里介山

【大菩薩峠 農奴の巻】

「ちょっと想像がつきません、洗ってみれば直ちにわかる身の上を、ことさらに誣(し)いて、彼をこの土地の農民扱いにして、そうして、ちょうさんの罪を着せて晒し者にしたということの処分が、どうも呑込めないのです」
と不破の関守氏が、青嵐居士への受け答えと共に新たなる疑問の主題を提供する。
「それは、ある程度まで想像すればできる、またそれを真正面から見ないで、反間苦肉として見れば、政策的に、時にとっての魂胆がわからない限りでもございませんがね……」
と青嵐居士、透(す)かさず相受ける。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28