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平沙渺漠
へいさびょうばく
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作家
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作品
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【大菩薩峠 Ocean の巻】
「海岸の風物が一変したら、海そのものまでも別のような感じがします」
と、田山白雲が答えました。
「そうですね、九十九里は全く別世界のような気がしますね、大東の岬以来、奇巌怪石というはおろか、ほとんど岩らしいものは見えないではありませんか、
平沙渺漠として人煙を絶す、といった趣ですね」
「左様、小湊、片海あたりのように、あらゆる水の跳躍を見るというわけでもなし、お仙ころがしや、竜燈の松があるというわけでもなし――至極平凡を極めたものですね、海の水色までが南房のように蒼々として生きていません――沼の水のようです」
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【大菩薩峠 みちりやの巻】
老漁師は、こんなに変った色を好みません。その色ざしによって、なんとか明日の天候を見定めるものですが、この夕べは、十里の砂浜に日和を見ようとする一つの漁師の影さえ見えません。
ところどころに、竜安石を置いたような岩が点出しているだけで、平沙渺漠人煙を絶するような中を、清澄の茂太郎は、西に向ってまっしぐらに走り出しました。
真直ぐに行けば忽ち海に没入する道も、まがれば無限である。茂太郎は、その無限の海岸線を走ろうというのですから、留め手のない限り、その興の尽き、足の疲れ果つる時を待つよりほかに、留めるすべはない。
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Last updated : 2024/06/28