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変幻自在
へんげんじざい
作家
作品

坂口安吾

【女占師の前にて】

自らを育てるためにも、また自らを傷めるためにも、それほども苛烈なはたらきを示すところの理知の刃物に恵まれなかつた江戸の戯作者達は、芥川の場合に比べてあるひは多分に幸福であつたのでせう。ジャン・コクトオの如き人も女占師の敵意の前では、シュバリエも及びもつかない斬新な応接ぶりで、同じ場合を二度見る人には変化の妙を伝える程度の退屈させない如才のなさまで行きとどく縦横無尽変幻自在の妙技に酔はしてくれるでせうが、やがてそのことがかの解きがたい内部の世界に不運な通路と限定を与へなければ幸せです。

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坂口安吾

【花咲ける石】

田舎侍に一泡吹かせてやりたいものだとかねて思っていたが、この伴五郎が房吉に目をつけた。とにかく滅法強い。法神流はそもそも剣の使い方が根本的に他流とちがっている。身体全体が剣であり武器である。場合によっては頭でも突く、足でも蹴るで変幻自在、機にのぞみ変に応じてきわまるところがない。したがってその練習量は他流の何倍何十倍とかけられているから、こころみに伴五郎が立合ってみると、房吉一門では下ッパの方の門人に手もなくひねられてしまった。

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田澤稲舟

【五大堂】

「ハイ……あの御前様のおいとひ遊す放蕩山人とは、私の兄、今宮丁の事で御座いますから、其妹の私もとてもながくは……」きいて御前は意気地なくも「さやうか、露の兄とはしらなかつた」きまりわるげに三太夫の方にむき「これ杉田、そんならすこしもくるしうない、何ぞうまいものでも沢山御馳走してやるがいゝ」変幻自在にあきれはてゝ、思はずしらず三太夫「ハツ今度はさ様に遊しますか」

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野口米次郎

【能楽論】

この世界は現実と想像の境目にある世界で、悲哀と歓喜とが互に反照し合つて濃霧のやうな光沢を放つてゐる。この世界では自然も人間も共に幻像化して、観念の静寂を味つてゐる。ここに流れる感情は変幻自在でも抽象的な単純を忘れない。この神秘的な世界に詩といふ霊祠があつて、すべての現象はそれを中心として顕れてゐる。この霊祠に寂しい恋愛といふ女性が住んでゐて、樹間を洩れて来る月の影を眺めて、魂の痛みを歌に歌つてゐる。さうしてその声が、この世界を取捲く憂愁の水へ波動するやうに感ぜられる。実にこの世界は痛ましいが麗はしい。

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キップリング
岡本綺堂訳

【世界怪談名作集 幻の人力車】

私は今までかつて感知したことのなかったまぼろしの社会というものに対して渇望(かつぼう)していたので、実生活の間にそれを漁(あさ)ると同時に、わたしの幽霊の伴侶(つれ)に長いあいだ逢えないでいるということに、漠然とした不幸を感じた。五月十五日より今日に至るまでの、こうした私の変幻自在の心持ちを書くということは、ほとんど不可能であろう。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28