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片言隻句 へんげんせっく へんげんせきく ⇒ 片言隻句 ⇒ 片言隻語 |
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作家
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作品
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織田作之助 |
【猫と杓子について】
例えば、今日、古い日本は亡びて、天皇をはじめあらゆる過去の権威に対する挑戦――といいますか、つまり疑問の提出が活発に行われましたが、しかし、文学の上では権威への挑戦が殆んど忘れられています。明治以後いまだ百年もたっていないのに、多くの大家が文豪と称せられ、古典の仲間入りをして、文学の祭壇にまつりあげられ、この人たちの片言隻句はまるで文学の神様のような権威を与えられて、大正昭和の文学を指導して来ました。 |
織田作之助 |
【可能性の文学】
考えてみれば、日本は明治以後まだ百年にもならぬのに、明治大正の作家が既に古典扱いをされて、文学の神様となっているのは、どうもおかしいことではないか。しかも、一たび神様となるや、その権威は絶対であって、片言隻句ことごとく神聖視されて、敗戦後各分野で権威や神聖への疑義が提出されているのに、文壇の権威は少しも疑われていないのは、何たる怠慢であろうか。
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坂口安吾 |
【安吾巷談 教祖展覧会】
私はついに教祖の公案を見破ることができなかった。そのハライセに、かかるものは詩にあらず、芸術に非ず、と断定した。そして今日に至っている。のみならず、今日に於ては、この教祖を邪教の教祖と見なしてすらいるのである。邪教といっても、教祖であるからには、立派な片言隻句も数多く残しているが、邪教であることには変りがない。
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坂口安吾 |
【街はふるさと】
人間はたかが白骨ではないですか。なにも、こんなバカなことを云いたくはないが、相手が長さんじゃア、小人はケツをまくりたくなるんだねえ。長さんや。ぼくら小人にとっては、人間はなかなかもって白骨じゃアありませんや。だが、長さんほどの水ムシともなれば、片言隻句、人生すべてこれ白骨ではありませんか。ねえ。長さん。あなた、なんのために、なぜ、上京したのさ。え? よく晴れた日に、か。やれやれ。雨の降る日、風の吹く日は、どうしてようてんだろうなア、この幽霊は」その幽霊の本体はすぐそこに横たわっていた。特に正装とも思われないが、見苦しくない和服を身につけ、お化粧もし、今は解かれているが、紐で二ヶ所膝をむすんでいたそうである。 |
穂積陳重 |
【法窓夜話】
諺は長い経験から生じた短い言葉で、言わば「民智の粋」(A proverb is condensed popular wisdom)である。故に片言隻句の中にも深遠なる真理を含んでいるものが少なくない。「諺は神の声なり」(Proverbs are the language of the gods)という諺があるが、むしろ「民の声」(vox populi)と言うた方が適切であって、民性に依って諺の種類性質などもそれぞれ異なっているものである。 |
野呂栄太郎 |
【名人上手に聴く】
われわれがマルクス、レーニンの学説を研究するのは、マルクス、レーニンの |
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