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偏狹固陋
へんきょうころう
作家
作品

幸田露伴

【努力論】

たゞ大なるを努めて、深きを勉めなければ、淺薄となる嫌がある。たゞ精なるを勉めて、深きを勉めなければ、澁滯拘泥のおそれがある。たゞ正なるを努めて、深なるを勉めなければ、迂闊にして奇奧なるところ無きに至る。井を鑿る能く深ければ、水を得ざること無く、學を做す能く深ければ、功を得ざることは無い。學を做す偏狹固陋なるも病であるが、學を做す博大にして淺薄なるも、また病である。たゞ憾むべきは其の大を勉むる人は、多くは其の深きを得るに至らざることである。

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Last updated : 2024/06/28