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悲歌慷慨
ひかこうがい |
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作家
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作品
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清水紫琴 |
【誰が罪】
さあれ風声鶴涙に驚きて、先生の清操を疑ふは、知遇に負(そむ)くの罪大なりと。わざわざ小田が耳語を一笑に付し去りし一郎も。さすがに全くは忘れかね、つらつら邸内の、光景に目を注ぐに。思ひなしかや、昨日は一昨日よりも、今日は昨日よりも、打傾かるるもの多く。かつては一郎が悲歌慷慨せざるを笑ひてし、都督殿が面には、何となく喜色顕れしさへあるに。その日の夕べかねてより、あらゆる志士と、政府の間に斡旋して、人材登用の、中門の鍵を預れりとの噂ある、有名なる権畧家、朝野渡といへるが訪ひ来りて、先生との密談久しかりし際。一郎はふと用事のありて、その応接所の廊下まで至りしに。障子を漏れし主客の対談。
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中里介山 |
【大菩薩峠 山科の巻】
人が一命を捧げて悔いない場合はただ意気あるのみだ、近藤勇は意気の男だ、彼は徹骨徹髄、意気を以てうずめている、名利それ何するところぞ!」斎藤一は極端なる近藤讃美から、腕を扼(やく)して悲歌慷慨の自家昂奮に堪えやらず、滔々(とうとう)としてまくし立てる。ここに至ると、眼に相手を見ざること対談者と変らない。 いつもならば、二人、三人、或いはそれ以上雑多な人数がここへ詰めて来て、がやがやとし、食事を取って、談じ込むもあれば、そうそうに出て行くもある。或いは昨夜、斎藤がしたように、人物論から時世論に及んで悲歌慷慨して声涙共に下るものもあるかと思えば、芸術談に花が咲くこともある。芸術談というのは、むろん武芸十八般に関することで、それには思わず竜之助も釣り込まれることもあるが、そうかと思うと、聞くに堪えない猥談(わいだん)に落ちて行くこともある。それは王侯貴人の品行のことだの、市井の三面種に及ぶまで、思いきって内秘を発(あば)き立てて、汚ない哄笑で終ることもある。 |
アリギエリ・ダンテ |
【神曲 淨火】
横死の際にはじめて悔改めし他の多くの魂を見て後、詩人等神の審判と生者の祈祷についてかたり遂にソルデルロ(ソルデル)のたゞひとり坐してゐたる處にいたる、ダンテは彼が同郷の好(よし)みをもてウェルギリウスをよろこび迎ふるを見、己が郷國を思ふの念に堪へず、悲歌慷慨す
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