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費用自弁
ひようじべん |
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作家
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作品
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戸坂潤 |
【現代日本の思想対立】
ところが政府が国民に対して懐く不信は、単にこの段階には止まらないのである。不埒なお喋りだとか、スパイの候補者だとかいわれても、まだボンヤリしていると、終いには遂に、永久の犯人と見立てられるのである。「思想犯保護観察法」がそれだ。思想犯人で執行猶予になった者や起訴留保になったもの、また刑を終った者や仮出獄した者、つまり一旦思想犯人となった者は例外なく、保護観察に付され得るのだが、それだけではなく二年ずつ何遍でもこの保護観察を反復出来るというのだから、これは要するに一種の終身刑に他ならない。もっとも当局はこれは刑罰ではなくて、保護観察だというのだが、寺院や病院や保護観察所へ犯人を費用自弁でお預けにするのだから、幼稚園でやる保護観察の類とは大分違うらしい。
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