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物心両面
ぶっしんりょうめん
物質と精神との両方の面。[精選版 日本国語大辞典]
作家
作品

岸田國士

【 文化とは ――力としての文化 第一話 】

 こゝで云ふ「生活」とは、もちろん、物心両面の生活です。衣食住を物質生活の面とすれば、知情意の働きが精神生活の面です。考へ、学び、信じ、愛し、戦ひ、苦しみ、敬ひ、美を感じ、これら「心の生活」、これは抑も人間の最も人間らしい姿の現れですが、こゝにまた人間の最も貴重な力がひそんでゐるのであります。

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芥川龍之介

【 永久に不愉快な二重生活 】

 あなたの手紙にあつた芸術家の職業問題などは、それを更に一歩皮相ひさうな方面へ移して来ての問題だと思ひます。
 だから「物心ぶつしん 両面ける人としての生活と、芸術家としての生活の関係交渉」と云つても、それぞれの意義に相当な立場をきめてかからないと、折角せつかくの議論は混乱するよりほかにありますまい。

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下村湖人

【 青年の思索のために 】

だが、自由とは果して消費生活についてのみいえることかどうか。もし消費生活の自由のみが人間の自由の全部であるとするなら、なるほど生産しなくては消費を許されない生活や、時間の支配権の大部分を社会に握られている生活は、不自由極まる生活だというの外ない。しかし、私の信ずるところでは、人間生命の本質は物心両面におけるその創造力にある。従って、人間の真の自由とは、創造の自由であり、創造のための良心の自由なのだ。

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山本周五郎

【 七日七夜 】

「おれが悪かった。勘定をしよう」
 彼は腸が捻転ねんてんするような思いで云った。男はまたへへんと笑った。
「どうせ払うんなら文句なんぞ云わねえがいい、金を出して恥をかく馬鹿もねえものさ」そして彼は立ちながら云った、「朝っぱらから縁起でもねえ、お倉さん、あとで塩華を撒いといて呉んな」
 ひと言ひと言が辛辣な悪意と毒をもっていた。おもんみるに、かれらは日常おのれ自身を卑しくしているため、機会さえあればその返報をするらしい。また感性が単純で直截ちょくさいだから、その表現も単直であり、且つ効果的に磨きが掛っている。昌平は物心両面にわたってうちのめされ、ふみにじられ、なにもかもぼろぼろになったような気持で、その家を出た。
 そして大門をぬけるなり、救いを求めるように、いきなり道傍の飲屋へとびこんだ。

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吉川英治

【 黒田如水 】

 莫大ばくだいな信徒と富力と、しかも兵力さえ持っている大坂石山いしやまの本願寺か。
 いや、その本願寺にしても、それだけの伽藍がらん勢力だけでは、こう何年も信長と対立し信長の統業を根底からさまたげるものとはなり得ない。一応は本願寺衆の不屈な反抗も認められるが、その背後にあって、陸路からまた海上から、彼らの物心両面たくましい補給を与えているものこそ、実に信長が、
(いつかは、かならず)と、心のなかで睨んでいるものにちがいなかった。それは山陰山陽十二ヵ国の富強をようしている毛利一族なることはいうまでもない。

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Last updated : 2024/06/28